新細明體

新細明體と細明體の概要

新細明體（PMingLiU）と細明體（MingLiU）は、台湾のダイナラブ（ダイナコムウェア）が開発した繁体中国語フォントです。このフォントは、特にMicrosoft WindowsやMicrosoft Office for Macに同梱されています。日本語の明朝体に類似したデザインで、特に看板や印刷物などで広く利用されています。

来歴

このフォントの歴史は、最初のバージョンがビットマップフォントとしてWindows 3.0の繁体字中国語版に付属していた1980年代に遡ります。当初は細明體のみで、後にTrueType形式としてWindows 3.1繁体字中国語版にも対応しました。バージョン2.00からは、内部でUnicode順に文字を並べるようになり、英語名「MingLiU」が付けられました。その後、バージョン2.10では新細明體（PMingLiU）が追加され、Proportional（プロポーショナル）な英数字部分を持つようになりました。さらに、Windows 98以前は繁体字中国語版専用でしたが、Windows 2000以降からは他の言語版でも利用可能になりました。

文字セット

もともと細明體はMicrosoftコードページ950に基づいた限られた文字セットをサポートしていました。しかし、Windows NTやWindows 2000以降はUnicodeがサポートされ、台湾の基準に基づいた全ての文字を収録するようになりました。この変化により、Unicode 1.1に含まれるCJK統合漢字を完全にカバーし、Windows 2000 Service Pack 4では全てのCJK統合漢字をサポートしています。

字形の進化

初期の細明體は、伝統的で特徴的な字形を持っていましたが、Unicodeの浸透により字形が改訂されました。バージョン5.03では、台湾教育部が定めた国字標準字体に準じた字形が導入され、その後のバージョンでもこの基準が維持されています。ただし、更新されたバージョンには誤植が存在し、特定の文字が誤って更新された事例もありましたが、最終的には修正されました。

香港増補字符集への対応

香港市場向けに、細明體_HKSCSというフォントが用意され、その後も細明體_HKSCS-ExtBが追加されました。これにより、香港増補字符集に対応する形で収録されている文字数が増え、特にWindows 8では34,051字、その他の拡張版では49,246字をサポートしています。

バージョン履歴

• - 2.00: Windows NT 4.0に付属
• - 3.00: Windows 98とMicrosoft Office 2000に付属
• - 4.55: Microsoft Office for Mac 2004に付属
• - 5.03: 新細明體更新套件によって配布
• - 6.02: Windows Vistaに付属し、Unicode 5.0をカバー
• - 7.01: Windows 8とMicrosoft Office for Mac 2021に付属

このように新細明體・細明體は長年にわたり進化を続け、特に利用者のニーズに応える形で多彩な文字をサポートするフォントとして重要な役割を果たしています。

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