新興感染症

新興感染症とは

新興感染症とは、近年特に注目されるようになった感染症の総称です。この感染症は、地域的または人の移動に起因する国際的な感染拡大が公衆衛生の問題を引き起こすことが多く、特にウイルス、細菌、寄生虫、スピロヘータなど多様な病原体が関与しています。

WHOの定義

世界保健機関（WHO）は、新興感染症を「かつて知られていなかった、過去20年間に新たに認識された感染症」と定義しています。この定義に該当する感染症は、多くが1990年以降に発表されたものであり、1970年以降に発生したものに焦点が当てられています。

主な新興感染症

新興感染症には多くの種類が存在します。具体的には、次のような病原体が挙げられます。

ウイルスによる新興感染症

• - 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)
• - エボラ出血熱
• - ラッサ熱
• - 後天性免疫不全症候群 (AIDS)
• - ノロウイルス感染症
• - ジカ熱
• - ハンタウイルス肺症候群 など

これらは、特に世界中での流行が問題視されている感染症です。

細菌による新興感染症

• - 腸管出血性大腸菌 (O157)
• - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)
• - カンピロバクター症
• - 多剤耐性肺結核 など

細菌による感染症も新たに定義されることがあります。

寄生虫およびプリーオン

• - クリプトスポリジウム症
• - クロイツフェルト・ヤコブ病 (CJD)

これらは比較的マイナーではあるものの、重要な病原体として存在しています。

日本の取り組み

日本では、文部科学省が2005年から新興感染症と再興感染症に関する研究拠点を形成するためのプログラムを進めています。海外においては、タイには大阪大学、ベトナムには長崎大学、中国には東京大学が研究の拠点を設置しています。さらに、フィリピンにおいても東北大学が新たに拠点を建設予定です。

類似概念と関連事項

新興感染症と類似する概念に再興感染症があります。これらの理解は、感染症学や公衆衛生の観点から重要です。また、感染症に関連する専門家や機関も多く、医師、感染症専門医、国立[[感染症研究所]]、アメリカ疾病予防管理センター、WHOなどが様々な役割を果たしています。

新興感染症は、私たちの生活や健康に直接的な影響を及ぼす可能性があり、そのための研究や対策が求められています。

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