新舞踊

新舞踊の世界

新舞踊（しんぶよう）は、大正時代に坪内逍遥や小山内薫などの影響を受けて形成された日本舞踊の一形式です。この運動により、舞踊家たちは「振り付けを行い、それを演じる」という新しいスタンスを確立しました。その結果、役者や振付師たちは独自に公演を行うようになり、新舞踊の特徴が発展していきました。

新舞踊の特徴

最近では、新舞踊というと歌謡曲や演歌に振り付けた歌謡舞踊が指されることが多くなっています。この数十年の間に、演歌や民謡、小唄などをBGMに使い、各流派の家元が独自の振り付けを施した舞踊が盛んに行われています。これにより、見た目にも華やかな表現が可能になり、幅広い観客層にアピールしています。

素踊のスタイル

新舞踊の中には、素踊（すおどり）という踊り方があります。このスタイルでは、作品に指定された衣装や鬘を着用せず、男性は紋付の着物に袴、女性は紋付の着物に一文字の帯結びで「高島田」という鬘、または男性役の女性は「前割れ」という鬘をかぶります。「前割れ」は中分けに結った前髪を特徴とし、演出を省いた純粋な身体表現が要されます。このため、舞踊家の技量が特に問われる形式ともいえます。また、「北州」（清元）など、素踊りを前提にした楽曲も存在し、舞踊の多様性を示しています。

歌謡舞踊とその流派

現在、歌謡舞踊（かようぶよう）は一般に「新舞踊」や「新日本舞踊」、さらには「創作舞踊」と呼ばれることが多くなりました。これに関連する流派は数多く、正確な数を把握することは難しいですが、全国各地に存在します。これらの流派は正式な登録が行われていないため、流派名を名乗るものからサークル、同好会まで、数えきれないほどの団体が活動しています。

歌舞伎舞踊の流派の中でも歌謡舞踊を扱うところが多く見られ、逆に歌謡舞踊を主たるテーマとしつつ、歌舞伎舞踊や地唄舞も取り入れる流派が多数存在します。これにより、歌謡舞踊は日本の伝統文化の中で重要な役割を持ち続けています。

まとめ

新舞踊は、大正期に生まれた新しい日本舞踊のスタイルであり、今も多くの舞踊家や団体によって受け継がれ、発展を続けています。歴史と伝統を持ちながらも、常に進化を求められるこの舞踊のジャンルは、現代においても多様な表現形式を展開しています。

もう一度検索