新野山形

新野山形（にいのやまがた）は、岡山県津山市に位置する地名であり、その郵便番号は708-1226が割り当てられています。この地域は、現在の津山市域の北部に位置し、かつて存在した新野村の北西端にあたる場所に広がっています。

新野山形の地名は、その歴史の中で何度か形を変えています。明治時代に入り、1889年（明治22年）6月1日に町村制が施行された際、それまでの勝北郡新野山形村は、同じ勝北郡内の新野西上村、新野西下村、新野西中村、そして新野東村と合併し、新たに新野村が誕生しました。このとき、旧新野山形村の地域は、新野村を構成する大きな区画の一つとして、大字（おおあざ）新野山形となりました。

その後、郡の再編が行われ、1900年（明治33年）4月1日には勝北郡と勝南郡が合併し、勝田郡が成立しました。これにより、新野村は勝田郡に属することになりました。

昭和の合併期を迎えた1955年（昭和30年）1月1日、勝田郡新野村は、同じ勝田郡内の勝加茂村、広戸村と合併し、新たな自治体として勝北町が発足しました。この勝北町の発足に伴い、旧新野村を構成していた各大字について、名称の変更が行われました。具体的には、新野東を除く旧新野村の各大字は、その名称から「新野」の冠称が外されることになりました。このため、大字新野山形も名称が変わり、「山形」という大字名になりました。この「山形」という名称は、その後の勝北町時代を通して用いられました。

そして、21世紀に入り、市町村合併が再び全国的に進められる中で、2005年（平成17年）2月28日、勝北町は、苫田郡加茂町、阿波村、そして久米郡久米町と共に、津山市に編入されることになりました。この津山市への編入に際して、地名に関する新たな課題が生じました。それは、津山市内には既に「山方（やまがた）」という同音異義の地名が存在していたことであるため、地名の混同を避ける目的で、この旧勝北町大字山形については、勝北町となる以前に名乗っていた「新野山形」という名称に再び戻されることが決定されました。これにより、一度は失われた「新野」の冠称が復活し、現在の津山市新野山形という地名が成立するに至ったのです。

地域内の現状については、2021年（令和3年）1月1日現在の世帯数および人口に関する情報が存在しますが、提供された資料からは具体的な数値を確認することはできません。また、津山市立の小・中学校に通う場合の学区についても定められているものの、その詳細については明らかではありません。

交通網としては、地域内を通過する岡山県道348号堀坂勝北線が主要な道路として機能しています。この県道は、地域住民の生活や物流を支える重要な役割を果たしているものと考えられます。

地域内には、古くから信仰を集める新野八幡神社が鎮座しており、地域の精神的な中心の一つとなっています。

この新野山形に関する記述は、1889年（明治22年）に和泉橋警察署が編纂した『新旧対照市町村一覧』第2冊や、地名編纂委員会による『角川日本地名大辞典33 岡山県』（1989年刊行）といった、日本の地名研究や自治体変遷に関する重要な文献を参考に作成されています。これらの資料は、新野山形の歴史的な変遷を追う上で貴重な情報源となっています。

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