新鰭類

新鰭類：現代の海と川を支配する魚たち

新鰭類(Neopterygii)は、条鰭類という大きなグループに属する魚類の一種です。条鰭類は大きく分けて腕鰭類と新鰭類の2つに分類されますが、腕鰭類にはポリプテルスなどごく限られた種類の魚しか含まれません。一方、新鰭類には、私たちが普段目にする硬骨魚類のほとんど、実に2万6千種以上が含まれる、非常に多様性に富んだグループなのです。

新鰭類の起源は古く、恐竜が登場するよりも前のペルム紀後期に、初期の条鰭類から分岐して現れました。初期の新鰭類は祖先とさほど変わらない姿をしていたと考えられていますが、進化の過程で驚くべき変化を遂げます。鱗や骨格の軽量化、そして何よりも、力強く効率的な運動を可能にする顎の進化です。この顎の進化は、捕食能力の大幅な向上に繋がり、新鰭類の繁栄の基礎となりました。

白亜紀以降、新鰭類は爆発的な進化を遂げ、世界中の海や川にその勢力を拡大していきました。その敏捷性と高い摂食能力は、他の魚類を圧倒し、現在では地球上の水圏において、最も繁栄している魚類グループの一つとなっています。

新鰭類の特徴

新鰭類を他の魚類と区別する形態的な特徴として、以下の点が挙げられます。

背鰭と臀鰭の鰭条数: 支持構造の数と一致する。
接続骨: 基舌軟骨の外側に形成される。

これらの特徴は、新鰭類の進化における重要なステップを示すものと考えられています。

新鰭類の分類：複雑な系統樹

新鰭類そのものの単系統性（共通の祖先から進化した単一の系統であること）は広く受け入れられていますが、その内部の系統関係については、研究者間で意見が一致していません。様々な化石の発見や遺伝子解析技術の進歩によって、分類体系は常に更新されています。

例えば、Nelson (2006)の分類体系では、従来ガー目とアミア目をまとめて全骨類と呼んでいましたが、最近の研究では、これらは新鰭類に含まれる別系統として扱われています。Nelsonはアミア目を真骨類の姉妹群として位置付けています。

以下は、Nelson (2006)による分類体系の概略です。絶滅したグループも含め、多くの目と科が含まれます。詳細については、それぞれの目や科に関する専門的な文献を参照する必要があります。

Halecostomi:

†Macrosemiiformes目（絶滅）
†Semionotiformes目（絶滅）
[ガー目]
†Pycnodontiformes目（絶滅）

Halecomorphi:

[アミア目]
†Aspidorhynchiformes目（絶滅）
* †Pachycormiformes目（絶滅）

真骨類(Teleostei):

40目以上、400科以上、4000属以上、そして2万6千種以上の現生種を含む巨大なグループです。真骨類には、私たちがよく知る多くの魚類が含まれ、さらに多くの絶滅群も含まれています。アロワナ上目、カライワシ上目など、多くの上位分類群に分けられますが、その系統関係についても研究が進められています。

絶滅群である†Pholidophoriformes目、†Leptolepidiformes目、†Tselfatiiformes目などは、系統的位置づけが不明確なままです。

新鰭類の進化の歴史と多様性は、まだ完全に解明されたわけではありません。今後の研究によって、さらに詳細な分類体系や進化の過程が明らかになることが期待されます。

もう一度検索