日出生台演習場

日出生台演習場の概要

日出生台演習場（ひじゅうだいえんしゅうじょう）は、大分県玖珠郡の玖珠町、九重町、由布市、及び宇佐市に広がる、日本陸軍と陸上自衛隊の重要な演習場です。この演習場は西日本において最大規模を誇り、その総面積は約4,900ヘクタールにも及びます。

地理的特徴と管理

演習場の大部分は玖珠町にある一方、東側の一部は由布市、南西側は九重町、そして北東側が宇佐市に位置しています。この演習場は、湯布院駐屯地業務隊日出生台演習場管理班によって管理されています。地域の特性を生かした演習環境が整備されており、演習の効率を高めています。

歴史と発展

明治時代初期、日出生台は資源の少ない土地であり栽培には適していませんでした。しかし、旧陸軍はこの地域の地勢が仮想戦地と似ていることを考慮し、演習地に指定しました。最初の演習場の主管となった横田穰は、地域の発展に取り組み、多くの植林活動を発起しました。反発もあったものの、彼の誠実な姿勢から地域住民との信頼関係を築くことに成功。彼の努力により、25年間で460万本以上の苗木が植えられ、1500ヘクタールが緑化されました。

演習と輸送

演習場の西側には玖珠駐屯地があり、戦車隊が駐屯しているため、演習中は（玖珠）戦車道と呼ばれる舗装された公道を通じて戦車が移動します。この戦車道は、関連する道のリンクから成り立ち、一般の見学者も利用可能です。道の駅童話の里くすでは、地域の特産品を楽しむこともできます。さらに、東側には湯布院駐屯地があり、特科道と呼ばれる道路も整備されています。

演習場では、年間330日の演習が実施される中、230日は実弾射撃が行われます。実施される射撃内容は多岐にわたり、戦車砲やひゅうが弾砲、迫撃砲などが使用されます。また、在日米軍もこの演習場を利用することがあります。

生態系の現状

演習場は関係者以外立ち入りが禁止されているため、自然が豊かで1000頭以上のシカやイノシシが生息しています。ただし、周辺農地においてはこれらの動物による作物被害が問題となっており、地元猟友会が年末年始に限って捕獲を行なっています。

沿革

• - 1899年（明治32年）: 旧帝国陸軍が演習地として日出生台を接収。
• - 1946年（昭和21年）: 終戦後、米軍がこの地に駐留し、その後、陸上自衛隊の演習場として継続利用。
• - 1997年（平成9年）: アメリカ海兵隊との実弾演習の一部を本演習場に移転。
• - 2025年（令和7年）8月18日: 訓練中に起こった事故で隊員が心肺停止状態で発見された。

まとめ

日出生台演習場は、その歴史とともに地域に大きな影響を与え続けています。演習活動のみならず、地域への貢献や環境保護など多角的な取り組みが進められています。

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