日本とアンティグア・バーブーダの関係

日本とアンティグア・バーブーダの関係

日本とアンティグア・バーブーダは、地理的に遠く離れており、歴史的な接点も少ないものの、友好関係を築いています。ここでは、両国の関係について詳しく解説します。

歴史

1981年11月1日にアンティグア・バーブーダがイギリスから独立すると、日本は同月6日にこれを承認しました。1982年10月4日には外交関係が樹立され、両国間の正式な関係が始まりました。1984年以降、日本は在トリニダード・トバゴ日本国大使館がアンティグア・バーブーダを兼轄しています。一方、アンティグア・バーブーダは日本に大使館を設置していませんが、1997年5月には在東京アンティグア・バーブーダ名誉領事館を設置し、同年7月からは駐日大使を任命しています。

2017年9月には、超大型ハリケーン・イルマがカリブ海を襲い、アンティグア・バーブーダは甚大な被害を受けました。特にバーブーダ島はほぼ全域が冠水し、建造物の95%が損害を受けるという壊滅的な状況となりました。この災害に対し、日本政府は友好国として緊急援助や人道支援を実施しました。

現況

地理的な距離と歴史的な背景から、両国間の交流は経済援助を除いては多くありません。しかし、近年では両国間の関係を強化する動きも見られます。2006年には、アンティグア・バーブーダの首相として初めてボールドウィン・スペンサーが訪日し、小泉純一郎首相との間で首脳会談が行われました。また、2014年には安倍晋三首相がトリニダード・トバゴを訪問した際、当時のアンティグア・バーブーダ首相であったガストン・ブラウンと会談を行っています。

捕鯨問題については、当初アンティグア・バーブーダは反捕鯨国でしたが、現在では日本の立場を支持するようになっています。経済面では、ガストン・ブラウン首相が日本のアベノミクスを参考に「ガストノミクス」という経済政策を推進しており、日本からの支援を期待しています。日本はこれまで70億円以上（2016年までの累計）の経済支援を行っており、同国の主要な援助国となっています。主な支援内容は、ハリケーンなどの災害に対する防災・環境分野の支援や、水産センターの建設、水産関連機材の供与といった水産分野の支援です。

貿易においては、日本の大幅な赤字が続いています。2018年のアンティグア・バーブーダの対日輸出額は307億円に対し、輸入額は20.4億円でした。主な輸出品はラム酒などの蒸留酒で、特にイングリッシュ・ハーバーは有名です。輸入品としては自動車が中心です。

文化交流としては、2000年に日本文化紹介派遣が実施され、凧や独楽といった日本の伝統的な玩具が紹介されました。

外交使節

駐アンティグア・バーブーダ日本大使: 在トリニダード・トバゴ大使が兼轄
駐日アンティグア・バーブーダ大使: アンソニー・リバプール（本国常駐、1997年～、信任状捧呈は2008年1月9日）

参考文献

外務省: アンティグア・バーブーダ基礎データ

関連項目

日本の国際関係
アンティグア・バーブーダ

外部リンク

外務省:アンティグア・バーブーダ基礎データ

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