日本とエスワティニの関係

日本とエスワティニ（旧スワジランド）の関係について概説します。両国は地理的に離れていますが、友好的な関係を維持しています。ここでは、両国の歴史、外交、経済関係、要人往来について詳しく見ていきましょう。

両国の比較

日本は東アジアに位置する民主主義国家であり、一方のエスワティニは南部アフリカに位置する立憲君主制の国です。両国は政治体制や文化において大きな違いがありますが、互いを尊重し、協力関係を築いています。

歴史

1968年、スワジランドとしてイギリスから独立し、同年9月に日本は同国を承認、1971年 5月には外交関係を樹立しました。しかし、地理的な距離から両国間の交流は限定的で、現在に至るまで互いに大使館を設置していません。日本は南アフリカのプレトリアにある日本大使館が、エスワティニはマレーシアのクアラルンプールにある高等弁務官事務所がそれぞれ兼轄しています。

2018年4月、スワジランドは国名を「エスワティニ王国」に変更しました。これに伴い、日本語表記も「エスワティニ王国」に変更されました。

外交

二国間関係

地理的な距離から、両国間の交流は比較的少ないですが、友好関係は維持されています。エスワティニは実質的な絶対君主制であり、民主主義国家である日本とは政治体制が大きく異なります。経済面では、貿易額は少なく、エスワティニは南アフリカとの関係を重視しています。

日本要人のエスワティニ訪問

2002年、杉浦正健外務副大臣がアフリカ連合設立式典に合わせてエスワティニ（当時スワジランド）を訪問し、ムスワティ3世国王と会談しました。また、ドラミニ首相とも会談し、日本のアフリカ投資について意見交換を行いました。

2017年 6月には、武井俊輔外務大臣政務官がザンビア、ナミビアと共にエスワティニ（当時スワジランド）を訪問し、ドラミニ首相や主要閣僚と経済支援や2025年大阪万博について意見交換を行いました。

エスワティニ要人の訪日

エスワティニ国王ムスワティ3世は、1998年の第2回アフリカ開発会議（TICAD）を皮切りに、2003年、2008年、2013年のTICADにも連続して出席しました。2013年には安倍晋三首相と首脳会談を行い、二国間関係の強化について話し合いました。2015年の第3回国連防災世界会議でも訪日し、安倍首相と首脳会談を行っています。2019年には、即位礼正殿の儀のために王妃同伴で訪日し、安倍首相と4年ぶりの首脳会談で貿易強化などが話し合われました。

2019年 8月には、ドラミニ首相が第7回アフリカ開発会議のため訪日し、安倍首相と首脳会談を行い、二国間関係強化や安保理改革、北朝鮮情勢について意見交換を行いました。

経済関係

2018年の日本の対エスワティニ貿易は、輸出が19.2億円、輸入が1.5億円と日本の大幅な黒字となっています。主な輸出品は自動車類で、輸入品はグレープフルーツなどの柑橘類です。

経済支援では、日本はエスワティニの主要な援助国の一つであり、2016年にはアメリカに次いで2位の援助国となりました。ただし、援助額はアメリカに比べて大幅に少ない状況です。

主要なODA

北部幹線道路建設事業（2001年、44.12億円）： エスワティニ唯一の有償資金協力事業であり、柑橘類や砂糖の産地である北部の幹線道路建設を支援しました。
中等教育改善計画（2011年、11.43億円）： 中等学校12校に教室や理科室などを設置する支援を行いました。
包摂的な教育の推進のための中等学校建設計画（2017年、17.23億円）： バリアフリー化を施した中等学校4校の建設を支援し、障害者への配慮を行った教育環境整備に貢献しました。

外交使節

駐エスワティニ日本大使： 在南アフリカ日本大使が兼轄しています。
駐日エスワティニ大使： 在マレーシアエスワティニ高等弁務官事務所が兼轄しています。

まとめ

日本とエスワティニは、地理的な距離はありますが、友好的な関係を築いています。経済協力や要人往来を通じて関係を強化しており、今後も両国間の協力関係が発展していくことが期待されます。

参考資料

外務省: エスワティニ王国（Kingdom of Eswatini）（旧国名：スワジランド王国）基礎データ

外部リンク

在エスワティニ日本国大使館
* 在マレーシアエスワティニ高等弁務官事務所

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