日本とスロバキアの関係

日本とスロバキアは、歴史的に深い繋がりを持ち、政治、経済、文化など多岐にわたる分野で協力関係を築いてきました。この文章では、両国の関係について、歴史的背景から現在までの詳細な情報をまとめています。

両国の比較

日本とスロバキアは、地理的に遠く離れているものの、国際社会において共通の価値観を共有し、良好な関係を維持しています。

歴史

チェコ スロバキア時代

1919年、チェコとスロバキアが統合して成立したチェコスロバキアは、日本と外交関係を樹立しました。初代の在チェコスロバキア全権代表は長岡春一公使が務めました。しかし、1939年にナチス・ドイツによってチェコスロバキアが解体され、チェコはベーメン・メーレン保護領となり、スロバキアはヨゼフ・ティソを大統領とするスロバキア共和国として独立しました。日本はこのスロバキア共和国を承認し、三国同盟にも参加しました。当時の日本のスロバキア公使は、在フィンランド公使の昌谷忠が兼任していました。第二次世界大戦後、スロバキア共和国は消滅し、現在のスロバキアとは直接的な繋がりはありません。

国交再開

戦後、1957年にチェコスロバキアと日本の国交が再開されました。その後、1993年1月1日、チェコとスロバキアはビロード離婚を経て平和的に連邦を解体しました。スロバキア独立と同時に日本は同国を承認し、同年2月3日には改めて外交関係を開設しました。2002年1月には、在スロバキア日本国大使館がブラチスラヴァに設置されました。

外交

日本とスロバキアは、民主主義、自由、人権などの共通の価値観を基盤として、良好な関係を維持しています。安全保障面では、北大西洋条約機構（NATO）やアメリカ合衆国を通じて、間接的な協力関係があります。2013年には、安倍晋三首相がポーランドを訪問した際、スロバキアのロベルト・フィツォ首相と日・スロバキア首脳会談を実施しました。

多国間での関係

スロバキア、チェコ、ハンガリー、ポーランドの4カ国は、ヴィシェグラード・グループ（V4）と呼ばれる枠組みを形成しており、日本は「V4＋日本」対話・協力」を通じて、これらの国々と協力関係を築いています。

日本要人のスロバキア訪問

チェコスロバキア時代から両国間の要人往来は活発に行われています。

2007年1月：麻生太郎外務大臣がスロバキアを訪問。
2011年12月：浜田和幸外務大臣政務官がスロバキアを訪問。
2016年4月：武藤容治外務副大臣がブラチスラヴァで開催された「GLOBSEC」に出席。
2017年2月：中根一幸外務副大臣がスロバキアを訪問。
2019年12月：中谷真一外務大臣政務官がOSCE外相理事会に出席。
2019年4月：安倍晋三首相がスロバキアを訪問。
2013年6月：秋篠宮文仁親王および文仁親王妃紀子がスロバキアを訪問。

スロバキア要人の訪日

スロバキアからも多数の要人が日本を訪問しています。

2007年10月：ヤーン・クビシュ外相が訪日。
2009年11月：ミロスラヴ・ライチャーク外相が訪日。
2012年6月：イヴァン・ガシュパロヴィッチ大統領が訪日。
2016年11月：ペテル・ジガ経済相が訪日。
2019年10月：ズザナ・チャプトヴァー大統領が即位の礼出席のため訪日。

経済交流

日本は、スロバキアの民主化や市場経済への移行を支援するため、技術協力を中心とする経済協力を実施してきました。1992年には円借款により高速道路建設事業を支援しましたが、スロバキアが経済成長を遂げたため、2007年末に経済支援は終了しました。2019年の貿易額は日本側の赤字となっています。主な輸出品は電池や自動車部品、主な輸入品は自動車や重電機器です。スロバキアはヨーロッパの中でも比較的賃金が低く、大市場に近いことから、製造拠点として注目されており、多数の日系企業が進出しています。

文化交流

両国の大使館が中心となり、文化交流も活発に行われています。伝統文化に加えて、近年ではアニメやマンガなどのポップカルチャーを通じた交流も広がっています。2007年までは、日本からスロバキアへの文化無償協力も実施されていました。

学術交流

スロバキアの各大学と日本の各大学が、学術交流協定を締結しています。コメンスキー大学、スロバキア工科大学、プレショフ大学、ジリナ大学、マテイ・ベル大学、コシツェ工科大学などが、日本の大学と様々な学術交流プログラムを実施しています。

姉妹都市

奈良県野迫川村とスロバキアのヴィソケー・タトリが、姉妹都市提携を結んでいます。この提携は、ホームページで紹介されていた郷土料理に興味を持った駐日スロバキア大使夫人がきっかけで始まりました。

外交使節

日本はスロバキアに大使を派遣しており、スロバキアも日本に大使を派遣しています。駐日スロバキア大使館は、東京都港区にあります。

参考文献

外務省 - スロバキア共和国基礎データ
薩摩秀登著『チェコとスロヴァキアを知るための56章【第2版】』

外部リンク

在スロバキア日本国大使館
駐日スロバキア大使館

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