日本とドミニカ共和国の関係

日本とドミニカ共和国の関係

日本とドミニカ共和国は、地理的には遠く離れていますが、長年にわたり友好的な関係を築いています。両国関係は、外交、経済、文化、スポーツなど多岐にわたる分野で展開されており、互いに重要なパートナーとしての関係を深めています。

歴史

両国間の外交関係は、1934年に樹立されました。しかし、第二次世界大戦の勃発により、1941年12月に一時的に断絶しました。戦後、サンフランシスコ平和条約の締結を経て、1952年6月に外交関係が再開されました。1957年には、互いの首都に大使館を設置し、外交関係をさらに強化しました。2000年には、日本・ドミニカ共和国友好議員連盟が設立され、両国間の交流促進に寄与しています。

移民

第二次世界大戦後、日本政府は海外移住を奨励しました。その中で、ドミニカ共和国はハイチとの国境地帯の強化を目的とした入植・開発計画を推進しており、両国政府の意向が合致し、日本からの農業移住が始まりました。1956年7月には、第一陣となる185名の日本人移住者がドミニカ共和国に到着。彼らはダハボンをはじめとする8つの地域に入植し、農業技術の開発に取り組みました。しかし、現地の厳しい自然環境や土地の肥沃度の低さから、一部の移住者は他国へ移住したり、帰国を余儀なくされました。それでも、現地に残った移住者たちは、米や野菜、コーヒーなどの栽培に成功し、ドミニカ共和国の食文化の発展に貢献しました。

移住者の負の側面

一方で、移住政策には負の側面も存在しました。この政策は、戦後の失業者問題の解決策として推進されたものであり、2000年には、残留者を中心に126名が、日本政府を相手取り、損害賠償を求めて提訴しました。この訴訟はその後拡大し、最終的には帰国した者も含め、約32億円の賠償を求めるまでになりました。裁判は6年に及び、東京地方裁判所は国の法的責任を認めたものの、除斥期間を理由に原告の請求を棄却しました。その後、小泉純一郎首相が原告に謝罪し、特別一時金を支給することで和解に至りました。

外交

ドミニカ共和国のレオネル・フェルナンデス大統領は、2000年と2006年に実務訪問で日本を訪れました。2006年には、天皇皇后両陛下との会見や小泉純一郎首相との首脳会談などを行い、関係強化を図りました。また、2002年にはイポリト・メヒーア大統領も日本を訪問し、首脳会談を実施しています。ドミニカ共和国は、過去に15回も訪日した親日家として知られ、二国間協力の促進を提案しています。

日本も、カリブ地域の重要な国であるドミニカ共和国との関係を重視しており、大統領就任式にはほぼ毎回特派大使を派遣しています。2014年には、カリブ共同体（カリコム）との首脳会談を通じて、同地域との関係強化を目指しており、多国間関係を通じて両国の協力関係は強まりつつあります。

経済交流

2020年のドミニカ共和国の対日輸出額は127.53億円、対日輸入額は170.67億円と、日本が一定の黒字を記録しています。ドミニカ共和国はカリブ地域でも工業化が進んでいる国であり、日本へは科学光学機器や電気機器、カカオなどが輸出されています。一方、日本からは自動車などが輸入されています。開発援助においては、2018年までに累計900億円以上が供与されており、水資源、エネルギー、医療、防災など多岐にわたる分野で協力が行われています。2007年には、熱帯性暴風雨「ノエル」による被害に対し、日本は緊急援助を実施しました。

文化交流

文化交流の面では、一般社団法人 日本・ドミニカ共和国友好親善協会が中心的な役割を担っており、文化、スポーツ、観光、経済など様々な分野での協力を促進しています。ドミニカ共和国では、在ドミニカ共和国日本国大使館が、日本祭りや日本語教室を通じて、日本文化を発信しています。

スポーツ

スポーツ分野では、両国とも野球が非常に人気があり、多くのドミニカ共和国出身の選手が日本のプロ野球界で活躍しています。プロボクシング界でも、ドミニカ共和国出身の選手が日本で活動するなど、スポーツを通じた交流も盛んです。

外交使節

両国は、それぞれの大使館を通じて外交関係を維持しています。以下に、両国の大使・公使の一部を記載します。

駐ドミニカ共和国日本大使・公使

（情報は割愛）

駐日ドミニカ共和国大使

アルフォンソ・カント・ディンセイ（1989年以前～1989年）
フアン・エミリオ・カノ・デ・ラ・モタ（1990～1993年）
（氏名不明）（1993～1994年）
エルビン・デ・レオン・ペレス（1995～1997年）
ファウスト・シカール・モヤ（1997～2003年）
ヨシロウ・ヤナイ（臨時代理大使、2003年）
エミリオ・アルマンド・オリボ・ポンセ・デ・レオン（2003～2005年）
ホセ・デル・カルメン・ウレニャ（2005～2009年）
リリア・アルベルティナ・サンチェス・デ・モアヘッド（臨時代理大使、2009年）
ペドロ・ルシアノ・ベルヘス・シマン（2009～2013年）
リリア・アルベルティナ・サンチェス・デ・モアヘッド（臨時代理大使、2013年）
エクトル・パウリーノ・ドミンゲス・ロドリゲス（2013～2020年）
ジョセリン・アジェスカ・サラディン・モック（臨時代理大使、2020～2021年）
ロバート・ミキイ・タカタ・ピメンテル（2021年～）

まとめ

日本とドミニカ共和国は、歴史的なつながりや、移民、経済、文化、スポーツなど多岐にわたる分野で交流を深めてきました。両国はこれからも互いに協力し、友好的な関係をさらに発展させていくことが期待されます。

参考文献

ドミニカ共和国（Dominican Republic）基礎データ　外務省

関連項目

日本の国際関係
駐日ドミニカ共和国大使館、在東京ドミニカ共和国総領事館
在ドミニカ共和国日本国大使館
在日ドミニカ共和国人
日系ドミニカ人

外部リンク

在ドミニカ共和国日本国大使館
駐日ドミニカ共和国大使館
一般社団法人 日本・ドミニカ共和国友好親善協会

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