日本とベナンの関係

日本とベナンの関係

日本とベナンは、1960年のベナン独立を機に外交関係を樹立しました。両国間の関係は、ベナンが社会主義体制を放棄した1989年以降、大きく発展しました。

歴史

ベナンは、1960年8月1日にフランスから独立し、当初はダホメ共和国という国名でした。日本は、ベナンの独立をほぼ同時に承認し、翌1961年には外交関係を樹立しました。しかし、独立後のベナンは政治的な混乱が続き、クーデターが頻発しました。1972年には、マチュー・ケレクがクーデターを起こして政権を掌握し、国名をベナン人民共和国と改め、社会主義体制へと移行しました。この間、ベナンはソ連など東側諸国との関係を深め、日本との交流は限定的でした。

1989年にベナンがマルクス・レーニン主義を放棄すると、西側先進国との関係強化に乗り出しました。歴代大統領は、韓国やシンガポール、インドネシアなどアジア諸国との関係を重視し、日本との間でも交流が活発化しました。2002年11月には、東京に駐日ベナン大使館が開設され、2010年1月には、コトヌーに在ベナン日本国大使館が開設されました。これ以降、両国関係は良好に発展し、特に経済協力関係の強化が見られます。

外交

社会主義放棄後、両国間の要人往来が活発になりました。1993年10月と1994年2月には、ニセフォール・ソグロ大統領が初めて訪日しました。その後も、マチュー・ケレク大統領、ヤイ・ボニ大統領、パトリス・タロン大統領が相次いで訪日し、首脳会談を行っています。ヤイ・ボニ大統領は、テレビ番組に出演してベナンを支援する日本国民に感謝の意を表し、当時の安倍晋三総理大臣との会談では、日本の国連安保理常任理事国入りを支持するなど、日本との協力関係を全面的にアピールしました。

経済交流

日本は、ベナンにとって主要な援助国ではありませんが、2017年までに累計500億円以上の経済援助を行っています。2010年以降には、「アトランティック県アラダ病院建設・整備計画」や「内水面養殖普及計画（PROVAC）」などのプロジェクトが実施されました。また、食糧支援や小学校建設などの援助も継続的に行われています。

貿易面では、2019年のベナンの対日輸出額は348万円と少額ですが、対日輸入額は7.32億円に上り、ベナン側の大幅な貿易赤字となっています。輸出品はバッグ類、輸入品は機械類や自動車です。

文化交流

ベナンでは、柔道が盛んで、約2000人の柔道人口と47の柔道クラブがあります。在ベナン日本国大使館は、現地の柔道連盟と共催で「柔道大使杯」を開催し、スポーツ外交の一環として、日本から中古の柔道着が供与されています。また、空手も人気があり、競技人口は約5000人です。

教育面では、2003年9月に、タレントのゾマホン・ルフィンが「たけし日本語学校」を開校しました。この学校では、身分や年齢に関わらず、誰でも無料で日本語教育を受けることができます。

一方、日本では、ベナン人の父を持つプロバスケットボール選手の八村塁が、高校時代から注目を集め、NBAでも活躍しています。八村選手の活躍をきっかけに、日本国内でのベナンの知名度も向上しています。

外交使節

駐ベナン日本大使
駐日ベナン大使

脚注

ベナン共和国（Republic of Benin）基礎データ外務省

関連項目

日本の国際関係
駐日ベナン大使館
在日ベナン人

外部リンク

* 駐日[ベナン]]大使館、[同 （フランス語）, 同 （英語）

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