日本の自転車道一覧

日本の自転車道一覧

日本国内に整備されている自転車道（サイクリングロード）は、国土交通省が指定・整備を推進する「大規模自転車道」を中心に、各都道府県や市町村が独自の計画に基づいて設置したルートまで多岐にわたります。この一覧は、そうした日本の主要な自転車道を都道府県別に整理し、サイクリングを楽しむ人々のための情報源となることを目的としています。

自転車道の種類と整備

自転車道の整備には様々な形態があります。特に「大規模自転車道」は、全国的な自転車ネットワークの形成を目指し、地域間の連携や観光振興、健康増進などを目的に計画された長距離ルートです。これらの多くは、道路法に基づき都道府県道として指定され整備が進められていますが、中には特別なスキームで整備されたものや、政令指定都市が管理するものなど、例外的な事例も存在します。

また、かつての鉄道線路跡や河川敷、海岸線などを活用した個性豊かなサイクリングロードも多数存在します。これらのルートは、往時の鉄道遺構や、豊かな自然、地域の歴史・文化に触れながら自転車散策を楽しめる点が魅力です。多くの場合、旧線路跡は勾配が緩やかで走りやすく、初心者からベテランまで幅広いサイクリストに適しています。

各地の主な自転車道

日本列島には、地域ごとの特色を活かした様々な自転車道が点在しています。例えば、北海道には、広大な大地や湿原、海岸線を巡るルートがあり、中には旧鉄道路線跡を利用した「湿原の夢ロード」や「オホーツク自転車道」などがあります。東北地方では、山形県の「さくらんぼサイクリングロード」や「庄内自転車道」などが知られています。

関東地方は特にルートが多く、茨城県の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、旧筑波鉄道線跡と霞ヶ浦周辺のルートを統合したもので、日本を代表するナショナルサイクルルートの一つに指定されています。埼玉県や東京都、千葉県、神奈川県にかけては、荒川や江戸川、利根川、多摩川といった主要河川沿いに長大なサイクリングロードが整備されており、都市近郊ながら自然を感じながら走れる貴重な空間となっています。

中部地方では、新潟県の旧北陸本線跡を利用した「久比岐自転車道」、富山県の富山湾岸を走る「しんきろう自転車道」、石川県の「手取キャニオンロード」（旧北陸鉄道能登線跡）など、変化に富んだ景観を楽しめるルートがあります。静岡県や愛知県には、浜名湖や渥美半島、知多半島といった風光明媚な地域を巡るコースが整備されています。

近畿地方では、滋賀県の「びわ湖レイクサイド自転車道」が、琵琶湖一周（ビワイチ）の重要な一部としてナショナルサイクルルートに指定されています。京都府や奈良県、和歌山県にまたがる「京奈和自転車道」のような広域連携ルートも整備が進んでいます。兵庫県には、加古川沿いや播磨地域に複数の県道指定自転車道があります。

中国地方では、鳥取県の「弓ヶ浜サイクリングコース」や岡山県の「片鉄ロマン街道」（旧同和鉱業片上鉄道線跡）、「茶屋町児島自転車道」（旧下津井電鉄線跡）など、歴史や自然を感じられるルートが特徴です。広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ海道サイクリングロード」は、本州と四国を結ぶ世界的なサイクリングルートとして、ナショナルサイクルルートに指定されています。

九州地方では、福岡県の河川敷や海岸沿いのルート、熊本県の「ゆうかファミリーロード」（旧国鉄山鹿線跡）や「球磨川サイクリングロード」、大分県の「メイプル耶馬サイクリングロード」（旧大分交通耶馬渓線跡）など、多様な地形や景観を活かしたルートがあります。沖縄県には、温暖な気候の中を走れる「沖縄のみち自転車道」などがあります。

一覧の構成

本一覧では、これらの自転車道を地域別、都道府県別に分類して掲載しています。各ルートについては、正式名称に加え、括弧内に示される通称や別名も記載しています。また、旧鉄道路線跡の活用や、ナショナルサイクルルートへの指定など、特筆すべき点についても可能な範囲で情報を付記しています。

これらの情報は、サイクリング計画を立てる際の参考となるだけでなく、地域の新たな魅力を発見するきっかけにもなるでしょう。日本の豊かな自然や歴史、文化を自転車に乗って体感してみてはいかがでしょうか。

関連項目として、大規模自転車道、都道府県道、ナショナルサイクルルートといった関連用語も参照することで、日本の自転車道に関する理解をより深めることができます。

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