日本キャニオン

日本キャニオン

日本キャニオンは、青森県西津軽郡深浦町に位置する景勝地で、浸食と崩壊によって凝灰岩の白い岩肌が露わになったU字谷の大断崖です。その景観がアメリカ合衆国のグランドキャニオンを連想させることから、この名が付けられました。世界遺産である白神山地の日本海側に位置し、津軽国定公園の区域内にありますが、白神山地世界遺産地域には含まれていません。

概要

日本キャニオンの命名の由来は、1953年（昭和28年）10月22日に十二湖が県立自然公園に指定された際、国立公園審議委員であり探検家でもあった岸衛が、アメリカ合衆国コロラド高原のグランドキャニオンと比較して「ベビーキャニオンじゃないか」と発言したことに始まります。これを受けて、当時の岩崎村役場が「日本キャニオン」と命名しました。

かつて地元の人々からは「日暮山」と呼ばれていました。歌人の大町桂月も日暮山の眺望を歌に詠んでいます。現在も濁川に「日暮橋」が架かっていることからも、その名残を感じることができます。「日暮らし」という言葉は、眺望が優れている場所を意味し、白神山地には「ひぐらしの滝」、十二湖には「日暮しの池」や「日暮橋」があり、眺めの美しさに時間を忘れて日が暮れてしまうという言い伝えが、その名の由来となっています。

日本キャニオンの成因については、十二湖の成因も含めて氷河の名残ではないかという説も存在します。この説は、1932年（昭和7年）に荒川謙治によって発表され、当時学会でも話題となりました。

遠方からもはっきりと認識できる白い山肌は、沖合を航行する船舶にとって目標物としての役割も果たしています。

周辺情報

日本キャニオンへのアクセスには、JR東日本五能線の十二湖駅を利用し、青森県道280号十二湖公園線を経由するのが一般的です。周辺には、青池をはじめとする十二湖の美しい湖沼群が点在しており、合わせて観光するのもおすすめです。

JR東日本五能線十二湖駅（青森県道280号十二湖公園線経由）
十二湖（青池等）

参考文献

『白神の山旅 -登山道と植物群-』、西田正司

関連項目

地質学

外部リンク

日本キャニオン - 青森県観光情報サイト アプティネット
日本キャニオン - 深浦ってどこ? 青森県深浦町観光公式サイト

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