日本テレビ系列金曜夕方6時枠のアニメ

日本テレビ系列でかつて毎週金曜日の午後6時から6時30分にかけて設けられていたテレビアニメの放送枠について解説します。この時間帯は、その歴史の中で放送形態や内容が大きく変化しました。

枠の変遷

1970年代まで、この時間帯は月曜日から金曜日まで帯状に編成されており、主に日本テレビで過去に放送された人気アニメや特撮番組の再放送に充てられていました。しかし、1979年 10月からは海外ドラマ『がんばれ!ベアーズ』を放送するために帯編成から独立した単独枠となり、その後の1980年4月、よみうりテレビと東京ムービーが共同制作したオリジナル新作アニメ『ムーの白鯨』の放送開始を機に、新作アニメ枠へと転換しました。これにより、この枠は新たなアニメ作品を発表する場としての性格を持つことになります。

新作アニメ枠として定着した後、しばらくは日本テレビが自社で制作するアニメが放送されました。しかし、『六神合体ゴッドマーズ』の放送期間中であった1982年、平日夕方のニュース強化のため、18時台に報道番組『6時です!4チャンネル』がスタートした影響で、アニメ枠は約1年間にわたり中断を余儀なくされます。

報道番組の終了後、1983年には再びアニメ・特撮の再放送枠として復活しますが、そのわずか3ヶ月後の同年7月1日には、再び新作アニメ枠へと回帰します。この時に始まったのが、スタジオぴえろ制作による女児向けの魔法少女アニメシリーズです。このシリーズは、『魔法の天使クリィミーマミ』から始まり、『魔法の妖精ペルシャ』、『魔法のスターマジカルエミ』、『魔法のアイドルパステルユーミ』と、およそ3年2ヶ月間にわたって計4作品が放送され、この枠の代表的なシリーズとして記憶されています。しかし、ぴえろ魔法少女シリーズ終了後、再び報道番組『NNNライブオンネットワーク』がスタートしたことにより、この金曜夕方6時枠でのアニメ放送は事実上終了となりました。

ローカルセールス枠としての特性

この枠は、日本テレビ系列のローカルセールス枠として運用されていました。そのため、ネットワークに加盟する各局が独自の判断で番組を編成することが可能でした。結果として、日本テレビで本放送されたアニメが、系列局によっては同時ネットされず、ローカルニュースや自社制作番組、あるいは他系列の番組の遅れネットなどに差し替えられるケースが多く見られました。これにより、地域によってはこれらのアニメが全く放送されなかったり、大幅に遅れて放送されたり、あるいは他の系列外の放送局に放映権が譲渡されるといった状況も発生しました。これは、全国一律での視聴が困難であったことを意味します。

この枠で放送された主な作品

(作品リストは省略しますが、前述の歴史で触れた作品群が中心です)

主な制作会社

東京ムービー新社（現：トムス・エンタテインメント）：新作アニメ枠初期の『ムーの白鯨』や『六神合体ゴッドマーズ』などを制作しました。
ぴえろ：1983年以降、この枠の後半を彩った女児向け魔法少女シリーズ4作品全てを手がけました。

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