6時です!4チャンネル

『6時です!4チャンネル』：日本テレビが挑んだ18時台ニュース改革

1982年4月5日から1983年3月31日まで、日本テレビ系列で放送された『6時です!4チャンネル』は、平日18時台の番組編成に大きな変革をもたらしたニュース番組でした。それまでの日本テレビは、18時台にアニメや特撮などの子供向け番組と全国ニュース、そしてローカルニュースを放送していましたが、この番組の開始により、18時台全体をニュース番組に充てるという大胆な決断をしたのです。

番組は、ニュース、記者リポート、スポーツ情報、天気予報などを織り交ぜた、いわばテレビマガジン形式。キャッチフレーズは「テレビ界初の移動スタジオ出現！あなたのご近所へおじゃまします！」。関東ローカル番組として放送され、「4チャンネル」は日本テレビのチャンネル番号を表していました。初代マイスタジオからの生放送で、作曲家・三枝成彰氏が手掛けたテーマ曲が番組を彩りました。制作は日本テレビ報道局が担当していました。

番組の大きな特徴は、何と言っても「情報カー」と呼ばれる特注車両です。マイクロバスを改造したこの移動スタジオは、カメラや調整室といった中継機材を完備。通常のテレビ中継車としての機能に加え、番組独自の機能も搭載していました。例えば、50人のインスタント世論調査が可能な電光板は、情報カーパーソナリティの神太郎氏と視聴者の「井戸端会議」を盛り上げました。日本テレビの社史には、「テレビ界本邦初の試みの移動スタジオで、関東地区のどこへでも移動は自由自在」と宣伝記事が掲載されています。

情報カーには、他に以下の設備が備え付けられていました。

照明: 冬季でも太陽光と同等の明るさを確保
スピーカー: 車両前後2箇所に設置、ステレオ音声出力可能
電光板: ボタンを押すだけで世論調査を実施
サテライトスタジオ: 雨天時のインタビュー用スタジオ
再録モニター: 26インチモニター4台、家庭用VTR再生可能
リモコンカメラ: 屋根上に設置、視聴者の撮影とモニターへの映し出し
* 発電機: 燃料満タンで2日間連続発電可能

番組は、視聴者参加型の企画や、移動スタジオを活用した臨場感あふれる報道で人気を博しましたが、わずか1年で終了しました。この突然の打ち切りに対し、よみうりテレビなど一部系列局からは報道軽視との批判が上がり、よみうりテレビ社長が編成対応を非難したとも言われています。

その後、18時台前半は再び子供向け番組が編成され、17時台前半にニュースが移されました。しかし、1986年10月、『NNNライブオンネットワーク』の開始により、18時台前半に再びニュース番組が編成されることになります。

『6時です!4チャンネル』は、短命に終わったものの、18時台ニュース番組編成の先駆けとして、そして移動スタジオという斬新な試みによって、テレビ報道史に名を残す番組となりました。その功績と失敗から多くの学びが得られ、後のニュース番組制作に影響を与えたことは間違いありません。番組を支えた久能靖キャスター、山下祐子アシスタント（現・立花義家夫人）、西依ちづるアシスタント、神太郎情報カーパーソナリティ、神和住純スポーツキャスター、長田渚左スポーツキャスターらの活躍も記憶に残ります。情報カーは、番組終了後も短期間中継車として不定期に使用されたとのことです。

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