日本三大仏

日本三大仏

日本三大仏（にほんさんだいぶつ）は、日本国内にある大仏の中で特に著名な3つの像を指します。現在、奈良県奈良市の東大寺にある奈良の大仏と、神奈川県鎌倉市の高徳院に位置する鎌倉大仏の2つは確定していますが、3つ目の大仏については諸説あります。具体的には、富山県高岡市にある高岡大仏や、岐阜県岐阜市正法寺の岐阜大仏、兵庫県神戸市能福寺の兵庫大仏などが候補とされています。

三大仏の変遷

日本三大仏の考え方は、江戸時代に方広寺にあった京の大仏が3つ目として挙げられた時から始まります。戦前には、兵庫大仏がこの位置を担っていましたが、戦後には高岡大仏や岐阜大仏にその座が移ることになります。興味深い点は、奈良の大仏と鎌倉大仏は江戸時代以前から存在していたにもかかわらず、三大仏の概念自体が形成された時期については明確な記録がないことです。

江戸時代においては、奈良の大仏と鎌倉大仏は広く知られており、京の大仏が「三大仏」の一つに数えられるようになったのは秀吉による造営が契機とされています。豊臣秀吉は1596年に京の大仏を建立しましたが、地震によって倒壊し、その後も数度の再建が試みられました。しかし、いずれも何らかの理由で焼失や解体されてしまいます。特に、寛政10年に落雷で焼失した大仏殿がその象徴です。

戦前の三大仏

戦前には、兵庫大仏が京の大仏が失われた際に3つ目として位置付けられました。可愛い姿を持ち、兵庫県神戸市の能福寺に所在したこの大仏は、1891年に造られたものですが、戦時中に金属類回収令により供出されてしまいます。その後、1991年に再建が行われました。

戦後以降の状況

戦後においては、高岡大仏や岐阜大仏が三大仏の候補として挙がるようになりました。また、再建された兵庫大仏や東京大仏も話題に上ることがありますが、固定された3つ目の大仏については、依然として明確な結論が出ていない状態です。例えば、岐阜大仏は2017年にGoogleのTVCMで三大仏として紹介されましたが、その選定には多様性が見受けられます。

さらに、岩波書店の『広辞苑』では、奈良の東大寺と河内の太平寺（知識寺）、近江の関寺の大仏を挙げる説もあり、三大仏の理解が一様でないことが分かります。これにより、日本における大仏の歴史は、単なる彫刻以上の重要な文化的・歴史的意義を持っています。

まとめ

日本三大仏は、奈良の大仏と鎌倉大仏は不変ですが、3つ目の大仏に関する議論は未だ続いています。それぞれの大仏には独自の歴史があり、それに伴う文化も育まれてきました。大仏を通じて、日本の宗教的な価値観や歴史も感じ取れることでしょう。

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