日本共産主義者団

日本共産主義者団の活動と歴史

日本共産主義者団は、1930年代後半に設立された日本の共産主義者グループであり、主に関西地方を中心に活動していました。日本共産党の中央委員会が壊滅し、再建を目指す共産党員たちが集結した結果、1937年12月にこの団体が結成されたのです。

背景

1935年、重要な共産主義者であった袴田里見の逮捕により、日本共産党の中央委員会は活動を停止せざるを得なくなりました。この状況下で、全国の共産党員たちは党の再建を目指して独自の活動を開始しました。その中でも関西地域では、1936年3月に和田四三四や奥村秀松、宮木喜久雄らが集まり、関西地方委員会を結成する動きがありました。野坂参三が発表した「人民戦線戦術」に基づき、統一戦線を樹立するための運動が展開されました。

結成と初期活動

関西地方委員会は発足後、「統一戦線樹立のために」などのパフレットを発行し、全国への再建呼びかけを行っていきましたが、1936年12月の一斉検挙によって壊滅します。翌年の1937年1月23日には、春日庄次郎が非転向を貫いて満期出獄し、再び党の再建に動き出しました。彼は、妻の安賀君子と共に同志たちと連絡を取り、1937年12月には兵庫県尼崎市で日本共産主義者団を結成します。この時、参加したのは春日、安賀の他に竹中恒三郎、横田甚太郎、原全五、高江洲重正の6名でした。

団の活動

日本共産主義者団の活動は、その性質から非合法であることが避けられませんでしたが、機関紙として『嵐をついて』『民衆の声』『党生活者』などを発行し、再建に向けた呼びかけを行いました。また、安賀君子は「職業婦人の発展と進歩向上」を目的としたかりがね会を組織し、公然の活動にも踏み出しました。竹中恒三郎は、京大内に存在した共産主義学生グループ「京大ケルン」との接触を図り、共産主義者団の活性化を実現しました。

終焉

しかし、彼らの活動はすぐに当局の注意を引くことになりました。1938年の8月から9月にかけて、主要メンバーが次々に逮捕され、とうとう日本共産主義者団は壊滅的な打撃を受けることになります。これにより、再建の夢は再び途絶え、団は歴史の幕を閉じることとなりました。

参考文献

この団体についての詳細は、広井暢子著『女性革命家たちの生涯』（新日本出版社、1989年）の「安賀君子」の項目に記されています。

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