日本基督同胞教会

日本キリスト同胞教会

日本キリスト同胞教会として知られる団体は、日本のプロテスタント教会の一つです。その源流は、18世紀半ばのアメリカ合衆国に遡ります。1752年頃、ペンシルバニア州ランカスターにおいて、ドイツ改革派教会の牧師P・W・オッターベインとメノナイト派のM・ベームが出会い、教派の違いを超えて互いをキリストにある兄弟として認め合う集会が開かれました。この出会いと協力は、ドイツ系移民の間で信仰復興（リバイバル）を引き起こす契機となりました。

このリバイバルによって形成された信仰者集団は、協力して伝道活動を進めるため、組織化を目指しました。1789年にはメリーランド州ボルティモアで最初の総会が開催され、1800年の第3回大会において、「キリストにある兄弟たちの連合の教会」（Church of the United Brethren in Christ）という正式名称が定められ、教団が創設されるに至りました。

日本における伝道活動は、アメリカ滞在中に同教会の影響を受けた日本人信徒たちによって開始されました。具体的には、中島錦五郎、土井操吉、米山梅吉らがその中心となり、1895年に帰国して活動を始めました。彼らはまず東京の京橋に伝道の拠点となる講義所を開設し、翌1896年には東京・本所に最初の教会を設立しました。また、滋賀県草津にあった組合教会の伝道所の働きを引き継ぐ形で、関西での活動も展開しました。

その後、伝道地は着実に広がり、1897年には静岡県の沼津、静岡市、神奈川県の小田原にも教会が設立されました。本国であるアメリカ合衆国からの宣教師も日本伝道に協力するため来日しました。1898年にはA・T・ハワード宣教師が到着し、同年にはフレンド派（クエーカー）のジョセフ・コサンド宣教師も加わりました。1900年にはJ・E・ニップ夫妻が来日するなど、宣教師のサポートも受けながら活動が進められました。

伝道地の増加に伴い、日本における組織体制の整備も進められました。1901年7月には東京基督教青年会館において、日本における最初の年会（日本の総会に相当する会議）が開催されました。さらに、1917年からは理事制が導入され、組織的な運営体制が確立されました。この時、安田忠吉牧師が初代の年会幹事に選出されています。

活動範囲は千葉県から兵庫県に至るまで広がっており、最終的に25の教会が形成され、信徒数は2500名規模に達しました。他のプロテスタント教派、特に日本組合基督教会とは非常に密接な関係を保っていました。これは、B・F・シャイヴェリーや有賀鉄太郎といった関係者が同志社神学校（組合教会系の神学校）の教授を務めたことなどからも伺えます。

太平洋戦争が進行する中、日本のプロテスタント諸教団は国策に従い合同することになりました。1941年に日本基督教団が成立した際、日本キリスト同胞教会は、最も関係の深かった日本組合基督教会と共に、日本基督教団の第3部に加わることとなりました。

（参考文献：『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年）

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