日本基督教団三崎町教会

日本基督教団三崎町教会の歴史は、1873年にアメリカ北部バプテストの宣教師として来日したジェームズ・ホープ・アーサーに始まります。彼は横浜での活動を経て、翌1874年に東京へ転居。1875年春には、駿河台に女学校（後の駿台英和女学校）を開設し、同時に日曜礼拝を開始しました。同年、女学校の働きを支援するためアンナ・H・キダーも来日しました。同年11月には、アーサーによって東京で初めての内田はま氏にバプテスマ（洗礼）が授けられています。1876年5月、この女学校を仮の会堂として、東京で最初の、そして日本で二番目のバプテスト教会である東京第一浸礼教会が設立されました。

その後、教会は1880年には小石川に第二礼拝堂を献堂。1882年には鳥山正心が牧師に就任し、1886年には本郷に会堂を献堂するなど発展を見せますが、1893年に教会内の問題からキダーと駿台女学校の関係者が退会し、1895年にはインマヌエル教会（現在の四谷新生教会）を設立します。また、同時期の1895年には、外国ミッションの援助を受けない自立した教会を目指す人々が退会する動きもありました。さらに、1898年3月には本郷の会堂が焼失し、教会は1899年10月に神田区新石町へ移転を余儀なくされます。

一方、1895年1月には、外国からの援助に依存しない教会を目指す東京第一浸礼教会や芝浸礼教会の有志25名によって、神田三崎町の医師・角倉賀道宅で日本独立浸礼教会が設立されました。鳥山正心が牧師に就任し、1896年12月には小石川柳町に会堂を献堂します。鳥山牧師の死去（1904年）後、1905年には中島力三郎が牧師職を引き継ぎました。

20世紀初頭、東京には求心力のあるバプテスト教会が少なく、地方から上京した若い信徒が他の教派に移る傾向が見られました。また、ウィリアム・アキスリング宣教師は、東京に社会事業と伝道のための拠点を設ける構想を持っていました。こうした状況を受け、1907年6月、バプテスト宣教師会で東京に会堂（TABERNACLE）を建設することが承認されます。角倉賀道が神田区三崎町の土地を選定・取得し、1908年9月、バプテスト中央会館として献堂式が行われました。この会館の開設に合わせて、東京市内のバプテスト教会合同が提唱され、最終的に東京第一浸礼教会と日本独立浸礼教会が合同し、1908年12月3日、中央バプテスト教会が設立されたのです。

教会はその後、いくつかの試練に直面します。1913年2月には神田の大火で会館が焼失しますが、向かいの長屋を仮会堂として礼拝等を継続し、1915年11月には会館が再建され、名称も東京三崎会館と改められました。1918年にはミッションからの援助を辞退し、自給を目指す姿勢を示します。1923年9月の関東大震災では、三崎会館は外郭を残して内部が焼失しましたが、教会はただちに焼け跡の整理や日曜礼拝・日曜学校の再開、そして罹災者への救護活動に取り組みました。復興工事は1925年11月に完了しています。

中央バプテスト教会は日本バプテスト東部組合に所属していましたが、1940年1月、東部組合が日本バプテスト西部組合と合同して日本バプテスト基督教団となると、教会名も日本バプテスト中央基督教会に変更されます。さらに、1941年、日本バプテスト基督教団が宗教団体法に基づいて設立された日本基督教団に第4部として参加したことにより、教会名称は現在の三崎町教会へと改称されました。

1944年、三崎会館が財団法人日本語教育振興会に接収され閉館となりますが、教会は週1回の礼拝堂と週1回の祈祷会のための一室の使用が認められ、終戦まで信仰生活が守られました。戦後、1948年3月、三崎会館は基督教新生社団によって買い戻され、伝道のために三崎町教会へ無償で貸与されることとなりました。会堂の老朽化が進んだため建て替え計画が進行し、1973年には新生社団から教会へ財産が移譲され、1974年1月には新しい会堂（3代目）が献堂されました。そして、1993年7月に現在の会堂（4代目）が完成し、同年11月に献堂式が行われ、現在に至っています。

歴代主任牧師は以下の通りです。
初代：吉川 亀 (1908-1909年)
第2代：中島 力三郎 (1909-1937年)
第3代：山北 多喜彦 (1938-1968年)
第4代：新里 昌平 (1969-1975年)
第5代：甲原 一 (1975-1980年)
第6代：作道 至示 (1980-1996年)
第7代：山田 静夫 (1996-2013年)
第8代：箕口 雄介 (2013年-現在)

現在の所在地は、〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町一丁目3-9です。

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