日本歯科保存学会

特定非営利活動法人 日本歯科保存学会

特定非営利活動法人日本歯科保存学会（にほんしかほぞんがっかい、英語名：The Japanese Society of Conservative Dentistry）は、歯を失うことなく、その機能と形態を生涯にわたって維持することを目指す「歯科保存学」の発展を担う、日本の主要な専門学術団体の一つです。1955年に設立されて以来、国内の歯科医学界において重要な位置を占め、多大な影響力を有しています。

概要と活動目的

本学会の主な活動目的は、歯科治療における歯の保存および修復に関する学術的な調査・研究を推進し、その成果を広く共有することにあります。また、歯科医師をはじめとする歯科医療従事者の知識と技術の向上を支援し、最新の学術情報や治療技術を提供することも重要な役割としています。

組織と運営

本学会は、多数の会員によって構成されています。例えば、2012年11月時点では、4,544名の会員が在籍していました。学術集会である総会は年に2回、春季と秋季に開催され、最新の研究発表や議論が行われる重要な機会となっています。

学会の本部事務局は、東京都豊島区に位置し、財団法人口腔保健協会がその代行業務を担当しています。全国的な支部組織は設けられていません。

学術誌

学会の機関誌として、『日本歯科保存学雑誌』（略称：日歯保存誌、英文名：THE JAPANESE JOURNAL OF CONSERVATIVE DENTISTRY）を定期的に刊行しています。この学術誌は年に6回発行され、歯の保存・修復に関する国内外の最新の研究論文や症例報告などが掲載されており、歯科保存学分野における重要な情報源となっています。（ISSN：0387-2343）

専門医認定制度

本学会は、歯科医師を対象とした専門医認定制度を設けており、「歯科保存治療専門医」の資格を認定しています。この制度は、高度な知識と技術を有する歯科保存治療の専門家を育成し、国民への質の高い医療提供に貢献することを目的としています。2012年11月時点では、739名の専門医が認定されており、そのうち339名が指導医として専門医の育成にあたっていました。なお、歯科衛生士および歯科技工士向けの専門認定制度は、この時点では設けられていません。

専門医を育成するための研修施設としては、国内の主要な歯科大学における保存修復学、歯内治療学、歯周治療学に関連する講座のほか、京都府立医科大学附属病院歯科や兵庫医科大学病院歯科口腔外科などが認定を受けています。

学会賞

歯科保存学の進歩に顕著な貢献をした研究者や会員の功績を称えるため、複数の学会賞を設けています。「日本歯科保存学会学会賞」、「日本歯科保存学会学術賞」、「日本歯科保存学会奨励賞」などがあり、優れた研究や活動を表彰しています。

入会について

本学会への入会は、所定の手続きと費用の納入が必要です。入会費は1,000円です。年会費は会員区分によって異なり、一般会員（主に歯科医師）は年額9,000円、準会員（歯科医師以外の医療従事者など）は年額8,000円となっています。

加盟団体

本学会は、日本の歯科医学・歯学分野における主要な連合体に加盟しています。具体的には、1955年に加盟した日本歯科医学会や、日本歯学系学会協議会などに名を連ねています。

関連領域

本学会が扱う、または密接に関連する学術領域や疾患には、歯の硬組織疾患、齲蝕（う蝕）といった疾病、歯科保存専門医制度、歯科保存学全般、保存修復学、歯内療法学、歯周病学などが含まれます。また、口腔細菌学や歯科理工学といった基礎科学分野も、歯科保存学の研究・発展に深く関連しています。

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