日本短角種

日本短角種

日本短角種（にほんたんかくしゅ、英語：Japanese Shorthorn）は、日本の固有な牛の品種であり、主に肉用牛として飼育されています。その起源は、日本の在来種である南部牛と、海外から導入されたショートホーン種との交配にあります。

歴史

日本短角種の歴史は、旧南部藩（現在の岩手県北部）に存在した南部牛に遡ります。この南部牛に対し、明治時代以降にアメリカから輸入されたショートホーン種を交配したことが始まりとされています。特に、岩手県岩泉町釜津田での交雑が、そのルーツとして重要視されています。

その後、北海道においてもショートホーン種に加え、デイリーショートホーン種、デボン種、エアシャー種など、様々な品種との交雑が試みられました。1936年（昭和11年）には、青森県で再びショートホーン種を輸入し、交配が行われました。

これらの交配を経て、1943年（昭和18年）には、東北地方北部において県別に標準体型が定められ、「褐毛東北種」と称されるようになりました。そして、1957年（昭和32年）に、これらの標準体型が統一され、現在の「日本短角種」という名称が正式に命名されました。

生産状況

日本短角種の飼育頭数は、国内の肉用種全体の1 - 2 %程度と推定されています。飼育地域は主に東北地方であり、次いで北海道に少数が見られます。特に、岩手県内で飼育・生産された日本短角種は、「いわて短角和牛」として地域団体商標に登録されており、ブランド牛として知られています。

身体・特徴

日本短角種は、以下の様な身体的特徴を持っています。

毛色: 濃い赤褐色の単色で、そけい部に白い斑が見られる個体もいます。
鼻鏡、蹄、角: 飴色をしています。角を有しています。
体格: 和牛の中では大型であり、成雌で体高130 cm、体重500 kg程度、雄で体高140 cm、体重800 kg程度に成長します。
体型: 肉用型で体積があり、中躯は長いものの、後躯はやや淋しい印象を与えます。

産肉能力については、1日あたりの増体量が約700 g、枝肉歩留まりが約60 %程度です。筋繊維はやや粗く、脂肪の沈着は黒毛和種に比べて少ない傾向があります。しかし、粗飼料の利用効率に優れているという利点があります。

参考文献

「人工授精師用テキスト」 - 日本家畜人工授精師協会発行

関連項目

日本のブランド牛一覧

もう一度検索