日本社会党 (1906)

日本社会党（にほんしゃかいとう）とは

日本社会党は、明治時代に存在した社会主義政党であり、日本における最初の合法的な社会主義政党として知られています。

結党

1906年2月、西川光二郎らによる「日本平民党」の結党に続き、堺利彦らを中心に「日本社会党」が結成されました。当時の内閣が社会主義対策を変化させたことを受け、両党は合同して1906年2月24日に東京京橋区（現在の中央区）の平民病院で第一回党大会を開催し、日本社会党が正式に発足しました。

党大会の参加者はわずか35名で、党員数も200名に満たない小規模な組織でしたが、その活動は非常に活発でした。社会民主党や平民社の議会主義を受け継ぎ、党の規則第一条には「本党は国法の範囲内で社会主義を主張する」と明記されました。党の機関紙としては、結党前から存在していた『光』と『平民新聞』に加え、幸徳秋水が1907年1月15日に創刊した『日刊平民新聞』がありました。

党内対立

結党直後から、東京市電値上げ反対運動など、大衆運動を積極的に展開しましたが、アメリカ滞在中にアナルコ・サンディカリズムの影響を受けた幸徳秋水が帰国すると、ゼネラル・ストライキによる「直接行動論」を提唱しました。これに対し、労働者による普通選挙運動を主張する田添鉄二らの「議会政策論」との間で激しい対立が起こりました。

1907年2月5日、幸徳は自ら発行する『日刊平民新聞』で「余が思想の変化」を発表し、直接行動論を主張しました。これに対し、田添も同年2月14日に「議会政策論」を著して反論しました。

解散

1907年2月17日に開催された第二回党大会では、直接行動派と議会政策派の対立が依然として残る中、党則第一条が「社会主義の実行を目的とする」と改正されました。この動きに対して、政府内部では山縣有朋らの取締強化を求める声が高まりました。

最終的に政府は、1907年2月22日に内務大臣が「安寧秩序に妨害ありと認むる」として治安警察法を適用し、結社禁止を命令しました。これにより、日本社会党は結党からわずか一年足らずで解散を余儀なくされました。

まとめ

日本社会党は、明治時代初期に誕生した日本初の合法的な社会主義政党でしたが、結党直後から党内の思想対立が深刻化し、政府からの弾圧も受け、短期間で解散を余儀なくされました。しかし、その活動は後の日本の社会主義運動に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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