日本経済新聞大阪本社

日本経済新聞大阪本社について

日本経済新聞大阪本社は、日本経済新聞社が持つ複数の発行本社の一つです。近畿地方全域に加え、山口県を除く中国・四国地方、そして北陸地方の一部（石川県、富山県、福井県）と三重県伊賀・東紀州地域を対象に新聞を発行しています。

歴史

その歴史は、1924年（大正13年）に大阪市で創刊された『大阪中外商業新報』に遡ります。これは、日本経済新聞の前身である中外商業新報が大阪で発行を開始したものでした。

1942年（昭和17年）、戦時下の統制により、『大阪中外商業新報』は同じく大阪で発行されていた『日本工業新聞』に強制的に統合され廃刊となります。その後、『日本工業新聞』は『産業経済新聞』と改題されました。この出来事が、戦後の新聞業界における棲み分けを生むことになります。

戦後の1950年（昭和25年）、産経新聞が東京に進出した際、それまで大阪を中心としていた日本経済新聞は、産経新聞との取材・販売エリアの棲み分けを余儀なくされました。しかし、翌1951年（昭和26年）、日本産業経済新聞社（後の日本経済新聞社）は、産経新聞の東京進出に対抗し、関東地方を基盤としていた「日本経済新聞」を全国展開することを決定、大阪での印刷・発行を再開しました。さらに10年後の1961年（昭和36年）、大阪の拠点を「発行本社」に格上げし、東京・大阪の二本社制を確立、悲願の全国紙化を実現しました。

事業展開

1982年には、テレビ東京の地方系列局第一号となるテレビ大阪を開局。さらに1985年には、岡山県・香川県をサービスエリアとするテレビせとうち（主要株主は山陽新聞）を開局させるなど、メディアミックス戦略も展開しました。1980年9月に名古屋支社での現地印刷が開始されるまでは、静岡県を除く東海地方向けの新聞印刷も大阪本社で行っていました。

現在の拠点

2015年5月7日、長年本社を構えていた大手前から、印刷部門を残して高麗橋に新築移転しました。新社屋は地上10階、地下1階建てで、本社機能に加え、グループ会社や共同通信社の大阪支社も入居しています。旧社屋は移転後に解体され、その跡地にはテレビ大阪の新社屋とヒルトン系のホテルが入る複合ビルが建設され、2024年春に開業を予定しています。

発行拠点と印刷所

主な発行拠点は以下の通りです。

大阪本社：大阪府大阪市中央区高麗橋一丁目4番2号
神戸支社：兵庫県神戸市中央区下山手通七丁目1番24号
京都支社：京都府京都市中京区烏丸通竹屋町角

印刷所は、自社運営の大阪市城東区の工場のほか、全国紙や地方紙への委託印刷も行っています。

直営：大阪府大阪市城東区
全国紙委託：京都府京都市伏見区（トーシ・プリンティングサービス、朝日新聞系）
地方紙委託：兵庫県西宮市（神戸新聞総合印刷）、石川県白山市（ショセキ）、岡山県倉敷市（山陽新聞系）、広島県広島市中区（中国印刷）、香川県高松市（四国新聞系）

地域経済面（地方版）

大阪本社管内では、原則として日曜日・月曜日と祝日の翌日を除く毎日、地域経済面を掲載しています。主な地域版は以下の通りです。

A版、B版（主に大阪府・和歌山県地区）
京滋版
兵庫版
近畿経済版（上記を統合する場合あり）
北陸版
広島版
中国版（広島県以外、広島版と統合する場合あり）
四国版

テレビ・ラジオ番組表

番組表は朝刊・夕刊ともに最終ページではなく、中面に掲載されています。近畿版のテレビ欄は、デジタル放送のチャンネルID順で掲載されるなど、特徴的な構成となっています。また、夕刊にはBS放送やラジオ番組表も掲載されています。

セット版と統合版

夕刊がある「セット版」は近畿地方の一部地域に限られますが、主要駅の売店では夕刊の早版も販売されています。それ以外の地域では、全日統合版（朝刊）のみが発行されています。

関連放送局

テレビ大阪：大阪府を対象とするテレビ放送局
テレビせとうち：岡山県と香川県を対象とするテレビ局


日本経済新聞大阪本社は、関西経済圏だけでなく、中国・四国、北陸地域における経済情報を広く提供し、地域経済の発展に貢献しています。

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