日本近代文学館

日本近代文学館：近代文学の宝庫

1963年4月、戦後の混乱期から経済成長へと向かう日本において、貴重な文学資料の散逸を防ごうという強い意志から、日本近代文学館が設立されました。高見順、伊藤整、川端康成といった著名な作家や、小田切進、稲垣達郎といった研究者らが中心となり、設立準備会が発足。1万5千人にも及ぶ人々からの寄付や資料寄贈によって、1965年8月16日、建設工事が開始されました。

1967年4月13日、東京都目黒区駒場公園内、旧前田利為侯爵邸の跡地に、日本近代文学館は開館しました。以来、近代から現代にかけての日本文学に関する調査研究、そしてその成果を広く一般に普及させる活動を行っています。

多彩な活動と貴重なコレクション

日本近代文学館は、単なる資料保管施設ではありません。多様な活動を通じて、日本の文学史に光を当てています。

調査研究活動:近代・現代文学に関する様々な研究プロジェクトを実施。膨大な資料を基に、新たな知見の創出に貢献しています。
資料収集: 設立以来、多くの作家や関係者から貴重な資料の寄贈を受けてきました。志賀直哉氏からの膨大な資料や、佐藤俊夫氏からの太宰治、夏目漱石、谷崎潤一郎、島崎藤村などの生原稿といった、貴重なコレクションを誇ります。
展示活動: 定期的に企画展や特別展を開催。時代やテーマを絞った展示を通して、来館者に日本の文学の魅力を伝えています。一般公開されている閲覧室では、所蔵資料の閲覧も可能です。
普及活動: 学術講演会やワークショップなどを開催し、広く一般の人々への文学普及にも力を入れています。

成田分館と全国ネットワーク

2007年9月には、千葉県成田市に成田分館を開設。本館と連携しながら、地域に根ざした活動を行っています。さらに、1995年には日本近代文学館の呼びかけで全国文学館協議会が設立され、全国各地の文学館との連携強化を図っています。

歴代理事長と名誉顧問・名誉館長

設立以来、日本近代文学館は多くの著名な人物に支えられてきました。高見順氏、伊藤整氏、塩田良平氏、小田切進氏、中村真一郎氏、中村稔氏、坂上弘氏、中島国彦氏と、歴代の理事長が近代文学の発展に貢献。川端康成氏、久松潜一氏、井上靖氏、中村稔氏といった、錚々たる顔ぶれの名誉顧問・名誉館長も、その発展を支えてきました。

アクセスと利用料金

本館 (東京都目黒区):
所在地: 東京都目黒区駒場4-3-55
アクセス: 京王井の頭線 駒場東大前駅（西口）徒歩7分
閲覧室利用料金: 1人1日 300円
特別展・企画展観覧料: 300円 (中学生・高校生 100円)

成田分館 (千葉県成田市):
* 所在地: 千葉県成田市駒井野字新堀1705－3

日本近代文学館は、これからも日本の近代文学を未来へと繋ぐ重要な役割を担い続けるでしょう。

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