小田切進

小田切進：日本近代文学研究の先駆者

小田切進（おだぎり すすむ、1924年9月13日 - 1992年12月20日）は、日本の近代文学の研究において重要な役割を果たした学者であり、立教大学名誉[[教授]]として広く知られています。

生い立ちと学歴

1924年に東京府荏原郡駒沢村に生まれた小田切は、地元の深沢尋常小学校と東京府立第十中学校を経て、第二早稲田高等学院で学びました。その後、早稲田大学の国文科に進学し、文学への情熱を深めていきました。この多様な教育背景が、彼の文学研究の基盤となったと考えられます。

職業キャリア

小田切は、学業を終えた後、改造社で『改造』の編集に関わり、プロレタリア文学に関する批評を発表しました。1955年からは立教大学に勤務し、最終的には教授に昇進しました。彼は1990年に退職するまで、同大学において多くの学生を指導し、研究活動を続けました。

日本近代文学館の設立

彼は高見順や伊藤整と共に日本近代文学館の設立に尽力し、1963年には専務理事に就任、この活動により1964年に菊池寛賞を受賞しました。1971年からは理事長を務め、また神奈川近代文学館の設立にも関与するなど、文学の普及と保存に貢献しました。

業績と著作

小田切は、数多くの著作を発表しており、その内容は日本文学の発展と変遷を詳述しています。主な著書には、1965年の『昭和文学の成立』や、1974年の『日本の名作 近代小説62篇』、1974年の『日本近代文学の展開』などがあります。彼の編著した『現代日本文芸総覧』は、1973年の毎日出版文化賞を受賞しています。また、1993年には、紀田順一郎・尾崎秀樹と共に監修した『少年小説大系』が第16回巖谷小波文芸賞を受賞するなど、その業績は高く評価されています。

批判と評価

その一方で、書誌学者の谷沢永一からの批判も受けたことがあります。彼の運営スタイルは「公共の施設を楯に取って売名を企てる」とされ、独善的な姿勢が問題視されました。このように、彼の評価は一様ではなく、賛否が存在しました。

家族と親族

小田切の家族には医学者である伯父の杉田直樹がいます。さらに、彼の長兄である小田切秀雄や、甥の小田切有一、大甥の小田切光といった血縁も存在します。

結論

小田切進は、日本近代文学の研究と普及において重要な存在であり、多くの業績を通じて今もなおその影響は色濃く残っています。彼の足跡を辿ることで、近代文学の理解を深め、日本の文学文化の発展を感じることができるでしょう。

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