日本電信電話株式会社等に関する法律

日本電信電話株式会社等に関する法律（通称：NTT法）は、日本電信電話株式会社（NTT）をはじめとするNTTグループの活動を規定する日本の法律です。この法律は、総務省総合通信基盤局事業政策課が所管しています。

概要

NTT法の制定は、1985年（昭和60年）の日本電信電話公社（電電公社）の民営化と、それに伴う通信自由化を背景としています。当初は「日本電信電話株式会社法」として制定され、公平かつ安定的な電気通信サービスの提供を目的としていました。法律の附則により、会社設立から5年以内に組織の見直しが義務付けられ、1997年（平成9年）には電信電話事業の分社化を柱とする大幅な改正が行われ、現在の「日本電信電話株式会社等に関する法律」という名称に変更されました。

1999年（平成11年）7月以降のNTT再編により、NTTグループを統括する日本電信電話、地域会社である東日本電信電話（NTT東日本）、西日本電信電話（NTT西日本）の3社の活動が規定されています。これらの企業は特殊会社であり、株式の取り扱いや事業計画の策定、役員の選任などには総務大臣の認可が必要となります。また、贈収賄に関する罰則など、活動に一定の制約が設けられています。

2024年（令和6年）4月25日の改正により、NTT法の示す「日本電信電話株式会社」という文言は、必ずしも現在の会社名を指すものではなくなりました。改正後の法律では、会社名が変更された場合でも、「日本電信電話公社の権利及び義務を承継した会社」を「日本電信電話株式会社」と定義しています。そのため、日本電信電話株式会社が社名を変更した場合でも、その変更後の会社は引き続きNTT法上の「日本電信電話株式会社」として適用を受けます。この規定は、NTT東日本とNTT西日本にも同様に適用され、会社名が変更されたとしても、引き続きNTT法の規制を受けることになります。

脚注

この法律は、NTTグループの事業活動を規制し、電気通信サービスの公正な提供を確保するための重要な枠組みです。

関連項目

三公社五現業: かつて存在した日本の公共企業体と行政機関の総称。
リクルート事件: 企業経営者が未公開株を政界・財界に広く配布した贈賄事件。この事件では、被告人の最初の逮捕・勾留時の罪状が、当時のNTT会長に株券を譲渡したことによるNTT法違反でした。

外部リンク

日本電信電話株式会社等に関する法律施行令
* 日本電信電話株式会社等に関する法律施行規則

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