日生運輸

日生運輸株式会社の概要

日生運輸株式会社は、岡山県備前市に本社を構え、運輸業に特化した総合企業です。1955年に耐火煉瓦の輸送を目的に設立された当社は、時代の変化に応じて事業の幅を広げ、バス事業や港湾荷役、倉庫業を展開してきました。また、過去には乗合バスや貸切バス、旅行業、タクシー事業なども行っていました。

設立と沿革

会社設立は1961年に遡り、創業当初は耐火煉瓦の運搬を主な業務としていました。その後、1971年に備前町が市制に移行した際、同年5月から地域の利用者の要望に応じて宇野自動車の廃止路線を引き継ぐ形で、乗合バスの運行を開始しました。これにより、地域交通の重要な役割を担うようになりました。

1972年には、同和鉱業の片上鉄道からバス事業を譲り受け、貸切バス事業も手掛けるようになりました。これにより「備前バス」という愛称が誕生し、地域の交通インフラを支える存在となりました。この後も、1991年や1993年に発生した鉄道事業の廃止に伴い、代替バスの運行を行うなど、地域への貢献が続きました。

バス事業の推移と終了

2015年には、長年続けていたバス事業からの撤退が決定されました。これは、過疎化や少子化に伴う利用者数の減少で、経営が厳しくなったためです。特に、2007年度には約286,300人だった利用者が、2013年度には141,500人にまで減少し、深刻な赤字状況が続いていました。そのため、公共交通の維持のために補助金を受け続けましたが、それでもバス運行は困難な状況が続いていました。最終的には2015年3月19日に廃止届を提出し、9月30日をもってバス事業を終了することとなりました。

現在の事業

日生運輸は現在、主に物流・倉庫事業に注力し、岡山県内での倉庫業務や港湾荷役などを行っています。そのため、岡山県内に複数の物流拠点を構えており、地域の物流ニーズに対応しています。具体的な拠点としては、伊里中営業所や友延物流倉庫、穂浪港営業所などがあり、多岐にわたるサービスを提供しています。

まとめ

日生運輸株式会社は、長い歴史の中で多様な運輸事業を展開し、地域社会に貢献してきた企業です。特にバス事業は地域交通の要となっていましたが、時代の流れと共に事業を見直し、現在は物流分野に特化しています。地域のニーズに応え続ける姿勢は、今後も注目されることでしょう。

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