日産・エキスパート

エキスパート（Expert）

エキスパートは、日産車体が製造し日産自動車が販売していた、4ナンバーサイズのライトバンです。この車両は、商用車としての機能性を重視し、多くの企業や配送業者に利用されてきました。1999年の登場から約九年間にわたり、様々なバージョンが生産されました。

歴史

1999年：VW11型の登場

エキスパートは1999年6月に登場しました。このモデルは、前モデルであるアベニールカーゴ（W10型）の後継として位置づけられており、当時の商用車市場において低迷していた販売台数の回復を狙ったものでもありました。また、従来のセドリックバンやグロリアバン（VY30型）からの後継モデルという意味も併せ持っていました。基本的な設計はアベニールと同じで、最大積載量は通常モデルで500kg、4WD車では400kgに設定されています。そこで使用されるトランスミッションには、2WDと4WD用の4速オートマチックトランスミッションが標準装備されており、ディーゼルエンジン搭載モデルは5速マニュアルが選択可能でした。

2001年：生産の移管

2001年の3月末には、日産車体の京都工場での生産を終了し、湘南工場へと移管されました。この事業移管は、効率的な生産体制の確立を目指すものでした。生産が湘南工場に移ることで、エキスパートの製造はさらに円滑に行われました。

2002年：マイナーチェンジ

2002年8月には、細かいマイナーチェンジが実施され、車名ロゴがNE-01書体に変更されました。また、グリルデザインやインパネのイルミネーションカラーなども一新され、より現代的な印象を与える仕様へと進化しました。

2004年：ディーゼル車の廃止

2004年12月にはディーゼル車の生産が終了しました。これにより、エキスパートはガソリンエンジンを基にしたモデルに特化し、より一層の効率を追求することになりました。

2005年：アベニールとの関係

さらに2005年11月、姉妹車のアベニールは販売を終了しましたが、エキスパートは引き続き生産されました。この年、ヘッドライトにマニュアルレベライザー機能が追加され、前方のフェンダーにはターンシグナルランプが装着されるなどの改良が施されました。これにより、より安全で使いやすい仕様になりました。

2008年：販売終了

そして2008年12月、ADバンへの統合のためエキスパートの販売が終了しました。この決定により、最大積載量500kgのライトバンが日本の国内市場から消えることになりました。この車種は、多くの商用ユーザーにとって、このクラスのバンにおける存在感のあるモデルであったことから、その終了には少なからぬ影響がありました。

車名の由来

エキスパートという名称は、英語で「専門家」や「達人」を意味しており、その名の通り商業用途において高い性能を発揮することを目指した車両であることがうかがえます。

関連項目

• - 日産・アベニール
• - 日産・AD

エキスパートは、軽量でありながら優れた積載能力を持つ商用車として、多くのニーズに応えてきた車両です。その特徴と歴史は、日産自動車の多様な車両ラインアップの中でも特異な位置を占めています。

もう一度検索