日産・サニーRZ-1

サニーRZ-1の概要

サニーRZ-1（サニー アールズィー・ワン、SUNNY RZ-1）は、1986年に日産自動車が製造・販売を開始したクーペ型の小型乗用車です。このモデルは、B12型サニーを基にした派生車両として位置づけられ、コンパクトでありながらスポーティなデザインが魅力とされています。

名称の由来とデザイン

「RZ-1」という名称は、「Runabout Zenith No.1」という言葉を縮めたものであり、特に若い世代をターゲットにしたスタイリッシュなイメージを意識したネーミングです。初期のキャッチコピーである「男1、女1、2's Coupe」は、この車が男女ともに楽しめる製品であることを示唆していますが、1987年のマイナーチェンジ以降は「美しいから、ころがしたい。」というフレーズに変更され、さらに魅力を高めました。

エクステリアと内装

サニーRZ-1の外観は、セダンやハッチバックとは明確に異なるデザインで、よりエッジの効いたシャープなラインが特徴です。フロントマスクは強いスラント角を持ち、ブリスターフェンダーとラップアラウンドウィンドウが装備されたリアハッチが際立っています。また、内装はベースとなっているセダンやハッチバックと基本的には同様ですが、特別感を演出する細部のデザインが施されています。

エンジンとグレード構成

当初、サニーRZ-1は1.5Lの直列4気筒エンジン（E15S型とターボモデルのE15ET型）を搭載していました。後に、マイナーチェンジによって1.6LのCA16DE型エンジンが追加され、「TWINCAMシリーズ」が展開されます。特にTWINCAM TYPE Bでは、サンルーフやパワーウィンドウ、通常装備されていないオプションが選べるなど、より多様な選択肢が提供されました。

また、「TWINCAM NISMO」モデルは専用のサスペンションやエアロパーツが装備されたスポーツ仕様で、見た目と性能の両方を追求した一台とされています。

マイナーチェンジと生産終了

サニーRZ-1には、1986年の初登場以降、数回のマイナーチェンジが行われました。1987年にはフロントグリルとテールレンズが変更され、E15型エンジンが廃止されてGA15S型エンジンに切り替わりました。また、1989年1月には、より充実した装備のTYPE Jが追加されました。

最終的に、1990年1月にエクサとの統合後継車種であるNXクーペの登場により、サニーRZ-1の製造は終了しましたが、その独特のデザインと性能は多くのファンに愛され続けています。

まとめ

サニーRZ-1は、日産自動車が手がけたクーペ型小型乗用車として、スタイリッシュなデザインと多彩なエンジンバリエーションを提供し、一時代を築いたモデルでした。今でもその存在はカーマニアの間で語り継がれており、日産の歴史における重要な一ページとして位置づけられています。

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