日産・シビリアン

シビリアン (CIVILIAN)

シビリアンは、1971年に日産車体から製造されたマイクロバスです。この車両は日産自動車によって販売され、市民生活や公共交通機関など幅広い場面で活躍しました。シビリアンは、従来の日産のエコーを引き継ぎ、デザインや性能の向上が図られました。

前史

シビリアンの起源は1959年にまで遡ります。この年、日産自動車は戦後初のマイクロバスを発表しました。このマイクロバスはキャブオールとして知られ、B40型系ジュニアやC40型系キャブオールのシャシとパワートレインを流用していました。この初代モデルは、京都の新日国工業によって生産され、シビリアンのスタイルとは異なる特徴的なデザインを持っていました。

当初のモデルは、大型リアエンジンバスを縮小したような形状で、特にリアウインドウのデザインに特徴がありました。1960年代にはキャブオールエコー、エコーといった車名への変更が行われ、顧客ニーズに応じたマイナーチェンジが施されます。

エコーからシビリアンへ

エコーのモデルが1966年に登場する中で、日産のマイクロバスにおけるデザインは進化を遂げました。特に1968年には重大な事故が発生し、これを受けて改善が求められるようになりました。事故の多発により、日産は新たな車名として「シビリアン」を採用し、安全性を強化しました。

シビリアンは、初代のGC240型系から始まり、エンジンは2.0Lガソリンと2.2Lディーゼルを設定。安全性にも配慮され、プロペラシャフトの設計変更が行われました。1976年にはマイナーチェンジが行われ、34型という型式が新たに与えられました。これにより、乗用の快適性が向上し、特に外観が一新されました。

シビリアンの多彩なバリエーション

1982年に第二世代へと移行し、W40型となります。このモデルでは、車両サイズが大きくなり、最新のエンジンと性能が注入されました。エンジンには、96馬力のED33型ディーゼルと105馬力のガソリンエンジンが搭載され、さまざまなニーズに対応可能な設計となりました。

1999年には、W41型系へと進化し、ここでは高い安全性と運転のしやすさが強調されました。特に福祉車両としても適応できるようにデザインされたシビリアン「ハートフルサルーン」が追加され、車椅子利用者への配慮が進められました。さまざまなシートアレンジや装備が選べるようになり、公共交通機関や観光用途に多様に使用されました。

近年の展開と終了

シビリアンは1999年から2021年まで、長期間にわたり製造されましたが、最終的に生産は2021年に終了。これにより日産が製造・販売するマイクロバスはキャラバンのみとなりました。このように、シビリアンは公共交通から観光、さらには特装車に至るまで幅広い用途に対応するモデルとして、日産のエコーから派生した重要な存在でした。

車名の由来

「シビリアン」という名称は、英語で「市民」や「文民」を意味しており、本車両がもともと警察や自衛隊向けに設計されていたことを反映しています。しかし一般ユーザー向けに販売されたことで、より広範なニーズに応える家族向けのマイクロバスとしての側面も持ち合せています。

DMVへの改造

シビリアンはまた、デュアル・モード・ビークル(DMV)に改造された事例も存在し、鉄道と道路を走行できる特性を持つように改造されました。これにより、鉄道関連の運行も視野に入れることが可能となりました。

このように、シビリアンは日産の歴史において重要な役割を果たし続けたマイクロバスとして認識されています。

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