日産・ティーダ

ティーダ（TIIDA）

日産自動車が手がけたハッチバック型の小型乗用車ティーダは、2004年から2012年の間、日本市場で販売されていました。このモデルは、日産の他のコンパクトカーであるサニーやパルサーの後継車の役割を果たすために新たに開発されたものであり、後継というよりも新しいコンセプトによって生まれました。

初代 C11型（2004年 - 2012年）

ティーダの初代モデルは、アライアンスを結んだルノーと共同で開発されたプラットフォームを採用しており、特に日本の道路事情を考慮した設計が施されています。ボディサイズは全長4,205mm、全幅1,695mm、全高1,535mm（4WD車1,540mm）。設計に当たった開発主査は、日本独特の狭い道路環境を考慮しつつ、5ナンバーサイズ内での広い室内空間を再現することに注力しました。これにより、同クラスの車両とは一線を画す高い質感と居住性を実現しています。

メカニズムと動力性能

搭載されるエンジンは、日産がルノーと共に開発したHR15DE型1.5Lエンジンが主流で、低・中回転域でのトルク向上と燃費性能の改善を実現しました。さらに、2005年には新しい1.8LエンジンのMR18DE型も追加され、海外向けには1.6L、1.5Lディーゼルエンジンもラインナップされました。トランスミッションはCVTと4速ATの選択肢があり、駆動方式はFFが主流です。

デザインと内装

デザインは「SHIFT_compact quality」がテーマで、内外装ともに高級感を追求しています。インテリアは、日産の上級モデルティアナのデザインチームによって作られ、アルミ調パネルや広々としたシートデザインが施されています。高級グレードモデルには本革シートが標準装備され、後部座席は240mmスライド可能で、居住空間の快適性が高められています。

海外市場への展開

ティーダは、アジア戦略車として位置付けられ、メキシコでの生産開始により北米市場にも進出しました。名称は米国、カナダでは「ヴァーサ」、シンガポールやマレーシアでは「ラティオ」、それ以外の国では「ティーダ」として販売されました。ただし、各地域でフロントバンパーやグリルなどデザインが異なることがあります。

年表と生産の流れ

2003年秋には東京モーターショーでコンセプトカー「シーノート」が発表され、翌年にはティーダがついに発売されました。2004年からの数年間でティーダは進化を遂げ、2008年にはマイナーチェンジが行われ、デザインや機能が一新されました。また、日本国内での生産は神奈川県の追浜工場で行われていましたが、海外向けモデルはそれぞれの国で現地生産されていました。

まとめ

2012年に生産が終了したティーダは、ノート（E12）へとその役割を引き継ぎました。しかし、初代ティーダが持っていたデザインや性能が、日本市場において優れた評価を受けたことは間違いありません。ティーダの発展は日産自動車のコンパクトカーの歴史を豊かにし、多くのドライバーに愛される存在であり続けました。今後のティーダの後継モデルとして、どのように進化していくのか、興味が尽きません。

もう一度検索