日産・パトロール

日産パトロールの概要

日産パトロール（Patrol）は、日産車体が製造し日産自動車が販売する四輪駆動車であり、オフロード走行に優れた性能を誇ります。1951年に初代モデルが登場して以来、パトロールは日本国内外で多岐にわたる需要に応える車両として活躍してきました。主に官公庁や警察、消防の用途で利用されていましたが、時代とともに民間向けにも展開されていきました。1980年から2007年までの日産・サファリと名称を変えた後も、今なお海外市場向けに生産が続けられ、官公庁向けの特別仕様車としての需要が高まっています。

初代モデル 4W60型 （1951年-1960年）

初代の4W60型は、トヨタ・ジープBJ型と多くの共通点を持っていたものの、日産独自の設計やエンジンを搭載して仕様が決定されました。このモデルは試作車が1951年に完成し、政府による小型四輪駆動車の要請に応じて試験を受けた結果、民需向けへの転身を果たしました。搭載されたA型エンジンは、当初は82psの出力を発揮しましたが、その後85psに変更されました。また、4WDシステムを採用し、オフロード走行の性能を確保することに成功。ほかにも、PTO（パワー・テイク・オフ）を装備できるオプションを持ち、ウインチング作業などでも対応可能でした。

2代目モデル 60型系 （1960年-1980年）

1960年にモデルチェンジが行われた60型系は、先代のデザインから脱却し、ランドローバーのスタイルを取り入れた箱型のフロントフェンダーを特徴としました。このモデルは日本国内やアメリカ市場においても販売され、消防用のシャーシやパトロール車両として多くの納入が行われました。
1960年代には警察や消防用に多く配備され、特にファイヤーパトロールは全国的に導入されました。消防車両には独自の機能が搭載されており、厳しい環境でも浜走行を可能としました。
1980年に160型系（サファリ）の導入により生産が終了しましたが、多くの車両が南米をはじめとする未舗装道路の多い地域で活躍しました。

3代目モデル 160/260型系（1980年-2002年）

160型は1980年に登場しました。ダットサンブランドとしても知られ、日本では日産・サファリの名で販売されました。この時期には、ディーゼルエンジンや4WDシステムのバリエーションが増え、多様な市場ニーズに応じたラインアップが揃いました。このモデルは、フロントとリアの駆動方式が見直され、より安定した走行性能を確保しました。260型も販売され、これも様々な地域で好評を得ました。

4代目 Y60型系 （1987年–1997年）

1987年に登場したY60型系は、初めてコイルスプリングサスペンションを採用しました。これにより、悪路でのハンドリングと快適性が向上しました。この系列はさらにスタイリッシュなデザインが施され、快適装備も充実しました。

5代目 Y61型系（1997年–）

1997年に導入されたY61型系は、さまざまなエンジンラインナップを持ち、SUVとしての性能をさらに向上させました。特に中東市場向けとしてトルクを重視した設計で、悪路での走破性が評価されています。

6代目 Y62型系 （2010年-）

2010年に発表されたY62型系は、主に中東市場のニーズに合わせて開発された高級SUVです。内外装のデザインが一新され、豪華な仕立てが施されています。

車名の由来

「パトロール」という名称は、英語で「巡回」や「偵察」を意味しており、その名の通り、警察や軍、消防などでの運用に最適な特性を持つことを示しています。この車両は、時代を超えて世界中で愛され続けています。

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