日産・フーガ Y50

Y50型フーガ（FUGA Y50）

Y50型フーガは、日産自動車が2004年から2009年に日本国内向けに販売したEセグメントクラスの乗用車です。このモデルは、日産の高級車ブランドであるインフィニティの北米市場向けモデルとも共通しており、日本市場ではセドリックとグロリアの後継車として位置づけられています。製造は栃木工場で行われました。

概要

フーガは2004年10月14日に日本で販売を開始しました。当時、セドリックはブルーステージ、グロリアはレッドステージとして販売されていましたが、フーガは両系統の模型が並行して販売されるという新たな試みが行われました。日本国内での人気とともに、北米、ロシア、中東、韓国ではインフィニティブランドの「Mシリーズ」としても展開されました。また中国市場では、2005年6月に日産ブランドでフーガが販売され、後にインフィニティブランドに移行しました。

コンセプトカーとしての「フウガ」が、2003年の東京モーターショーで発表され、そのデザインの基盤がフーガの市販モデルへと受け継がれました。特に、和を意識したデザインや快適な室内空間が高く評価されました。

メカニズム

パワートレイン

フーガのエンジンは、当初、V型6気筒2.5L（VQ25DE型）および3.5L（VQ35DE型）から選択可能でした。特に3.5Lエンジンは、フェアレディZ（Z33型）からもインスパイアを受け、スポーティな走行性能を追求しています。その後、2005年にV型8気筒4.5Lエンジン（VK45DE型）が搭載される「450GT」シリーズが追加され、さらに性能が向上しました。

2007年にはマイナーチェンジが行われ、エンジンが更新されることで出力が向上しました。トランスミッションは、ジヤトコ製の電子制御5速ATを搭載し、「アダプティブシフトコントロール」機能により、最適なギアを自動選択します。また、日産車として初めてプッシュ式のエンジンスターターが装備されました。

ボディ・シャシ

フーガはFR-Lプラットフォームを採用し、大幅な剛性向上を実現しました。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式を採用し、優れた操縦安定性を誇ります。

デザイン

エクステリア

フロントデザインには日産のダブルアーチ型グリルが採用され、LEDテールランプが特徴的です。全体的なエクステリアデザインは、セグメントの中でも空力性能が高く評価され、特にCd値0.28を記録しています。2007年に行われたマイナーチェンジでは、外観が大きく変更され、新しいデザインのフロントバンパーやテールランプが採用されました。

インテリア

フーガの室内空間は非常に広く設計されており、特に後部座席の快適性が重視されているため、Fセグメントの高級車にも引けを取らない広さを確保しています。インパネは前期型と後期型で基本的に共通ですが、一部の装飾や照明色が変更されています。

ラインアップ

フーガは発売当初から多様なグレードが用意され、特に3.5Lエンジン搭載の「GT」が主力モデルとして人気を集めました。2007年には前期型の「XV」シリーズが廃止され、全てのモデルが「GT」シリーズに統一されました。特別仕様車も数多く登場し、期間限定モデルやカスタムカーとしてのバリエーションが豊富に展開されました。

受賞歴

フーガはそのデザインと性能により、2005年にはRJCカー・オブ・ザ・イヤーやグッドデザイン賞を受賞しており、自動車としての総合力が高く評価されています。

このようにY50型フーガは、日産の高級セダンとしての地位を確立し、多くのファンを魅了したモデルでありました。

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