日産・VQ35HR

日産・VQ35HRエンジン

日産自動車が製造するVQ35HRは、V型6気筒の3.5Lエンジンで、2006年に登場したスカイラインセダンV36モデルに初めて搭載されました。このエンジンは、従来のVQ35DEエンジンを受け継ぎますが、全く新しい設計で作られており、高出力と高トルク、さらには燃費性能のすべてにおいて向上を図っています。

エンジンの特長と性能

VQ35HRは、日産のエンジンラインナップにおいて「HR」の名を冠する初のエンジンです。この「HR」は、高回転（High Revolution）および高レスポンス（High Response）の頭文字を意味し、エンジンの最高回転数は驚異の7,500rpmを記録しています。さらに、このエンジンは日産のV6エンジンの中で初めて出力が300PSを超えたモデルでもあります。これにより、運転性能が大きく改善され、ドライバーにとってダイナミックな体験を提供します。

製造と生産体制

VQ35HRエンジンは、日産の専用エンジン工場であるいわき工場で製造されています。また、VQ25HR型エンジンを含むVQ-HRエンジンの製造線を拡充するために、新たに第二工場も建設されました。この工場での生産によって、大量生産体制が整えられ、需要に応じた供給が可能となっています。

モデルラインアップ

2007年にフルモデルチェンジを行ったスカイラインクーペCV36型には、200ccの排気量を増加させて出力を向上させる一方、新技術のVVELを導入したVQ37VHR型エンジンが搭載されました。このエンジンは、従来のVQ35HR型からさらに進化を遂げています。

特別仕様とハイブリッド版

2007年1月には、Z33型フェアレディZにレース向け仕様として3.8Lに排気量を増加させたVQ35HRエンジンが導入され、その後、一般向けにデチューンされたモデルも発売されました。また、2010年からはハイブリッド用として、ミラーサイクル技術を採用した3.5Lエンジンがフーガハイブリッドやインフィニティ・M35ハイブリッドに搭載され、環境性能や燃費の向上に寄与しています。

主な搭載モデル

• - 日産・スカイラインセダン V36 (2006年11月-2008年12月)
• - インフィニティ・G35セダン (V36型)
• - 日産・スカイラインセダン V37 (ハイブリッド車)
• - インフィニティ・Q50 ハイブリッド (V37型)
• - 日産・フーガ （Y50型、2007年12月-2009年11月）
• - フーガハイブリッド
• - インフィニティ・M35h
• - シーマハイブリッド
• - 三菱・ディグニティ
• - 日産・フェアレディZ Z33
• - インフィニティ・EX35
• - インフィニティ・FX35（S51型）

受賞歴

この優れたエンジンは、2007年に「テン・ベスト・エンジン」を受賞するなど、その性能と技術の先進性が高く評価されました。VQ35HRは、日産が提唱するスポーティさと環境配慮の両立を具現化した、現代のエンジンとして多くの車両に搭載されています。

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