日田彦山線BRT

日田彦山線BRTについて

日田彦山線BRT（バス高速輸送システム）は、九州旅客鉄道（JR九州）が運営する新たなバス交通手段で、愛称は「BRTひこぼしライン」です。このBRTは、2017年に発生した九州北部豪雨によって被災した日田彦山線の一部区間の復旧を目的に設立されました。特に、添田駅から夜明駅間では、鉄道復旧の交渉が長引いたため、JR九州はバスでの運営に切り替えました。

設立の背景

豪雨災害により、添田と夜明の間で63カ所にわたって線路が被災し、運行がストップしました。JR九州はこの復旧に向けて、2018年にバスによる代替運行を宣言。2020年7月には、バス専用道路への転用で自治体と合意し、具体的な復旧への道が開かれました。この新たなシステムの導入に対して、地域住民からの期待が寄せられました。

開発及び運行管理

このBRTでは、JR九州が主導する形で、JR九州バスが運行を担います。また、日田バスによる運行の一部再委託も行われます。事業運営にはJR九州が約26億円を投じ、福岡県が橋梁の復旧費用を負担しました。開業後の予測では年間に1.6億円の赤字が見込まれていますが、JR九州は被災前の鉄道輸送密度131人/日を上回る利用者目標を掲げています。

開業の経緯

2020年8月から整備工事が始まり、2022年5月にはサービス概要が発表されました。2023年の4月には具体的な開業日として8月28日が告知され、運行ダイヤや料金体系についても周知がなされました。住民のアンケートに基づいてルート設定が行われ、住民の意見を反映した形で路線が整備されました。

開業に際しては、新型コロナウイルスや大雨といった予期せぬトラブルにも関わらず計画通りにスタートを果たしました。開業式には地域の重要人物が参列し、BRTの運行は沿線地域の振興策として期待されています。実際に開業1ヶ月後には、平均利用客が407人に達したと報告されています。

運行体制

BRTは添田駅から日田駅間の全線を1日10往復運行。その他にも一部区間便が設定され、全ての便で「ひこぼし」の愛称が付けられています。バスの運行時刻は鉄道との接続を意識して設計されていますが、遅延による接続は保障されていません。また、利用者の利便性を考え、学校通学向けの運行調整も実施されています。

使用車両

BRTで使用される車両は、小型電気バスや中型ディーゼルバスが含まれ、各車両は地域の特性を反映したデザインが施されています。2023年には燃料電池バスの実証運行も予定されており、環境に配慮した交通手段の導入が進められています。

利用状況

運行から2024年までの間、利用者数は好調で、開業1年目には10万人を超える利用者が見込まれています。ただし、観光客が多く、日常利用を増やすための施策が今後の課題です。

日田彦山線BRTは、災害からの復興に向けた重要な交通手段として地域発展に寄与することが期待されています。

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