日田藩

日田藩の概要

日田藩（ひたはん）は、江戸時代に日本の豊後国日田郡に存在した藩です。藩の中心地には永山城と日田陣屋が設けられ、ここを行政の拠点としていました。

隈藩から日田藩へ

日田藩の起源は、安土桃山時代末期にさかのぼります。1594年、豊後国の日田・玖珠郡が蔵入地となり、宮城豊盛が代官として赴任しました。彼は日隈城を築いて居城とし、同時に日田郡の支配を開始しました。1596年には、毛利高政が播磨国明石から移封され、日隈城で藩を統治しました。この時期を隈藩（くまはん）と呼び、毛利家が支配していました。

しかし、1600年の関ヶ原の戦いを経て、毛利家は豊後国佐伯に転封され、1601年には小川光氏が日田に入ります。この際、日田郡は三つの領地に分けられました。来島家（久留島氏・来島長親）が日田郡の一部を支配したほか、佐伯[[藩]]による預かり地、そして小川家が治める部分がありました。この時の小川家の地位については、入領か代官としての赴任か不明ですが、大名としての役割を果たしていたとされます。

藩と代官支配の変遷

1616年、譜代大名の石川忠総が美濃国大垣から日田郡に封じられ、6万石の知行を受けました。丸山城を拠点にしていましたが、1633年には転封され、領地は小笠原家の管理下に置かれました。1639年になると日田郡は幕府直轄の領地となり、小川藤左衛門と小川九左衛門の2名が初代代官として任命されました。この二人制が続く中、1665年には百姓一揆である日田騒動が発生し、代官は改易されました。その後、肥後国熊本[[藩]]の預かり地となり、新たな代官の任命までの間、統治が行われない時期が続くことになります。

1682年には結城松平家の松平直矩が7万石で入封しましたが、1686年に出羽国山形へ転封され、その後日田郡は幕府直轄領として管理されるようになりました。これにより、大名は日田郡の所領を持たなくなります。

歴代の藩主

日田藩の歴史上、重要な藩主は以下の通りです:

• - 隈藩時代

毛利家（藤原姓）
豊臣政権下、2万石（または6万石とも）で日隈城に入封（1596年）。

• - 日田藩時代

石川家（家成流）
徳川政権下、6万石で日田に入封（1616年）。
- 石川忠総
- 結城松平家
親藩として7万石で日田に入封（1682年）。
- 松平直矩

日田藩の歴史は、時代ごとに変わる支配者と政治的変遷を見せる複雑なものであり、その経緯を辿ることで当時の地域社会や文化が垣間見えます。

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