日立システムアンドサービス

日立システムアンドサービス：日立グループを支えたシステムインテグレーター

日立システムアンドサービス株式会社は、かつて日立グループに属し、システムインテグレーション事業を展開していた企業です。東京都港区に本社を置き、主に企業向けのシステム開発、導入、保守サービスを提供していました。

1978年、日立コンピュータコンサルタント株式会社として設立され、その後、数回の合併や商号変更を経て、2000年には株式会社日立システムアンドサービスへと生まれ変わりました。同社は、10億円の資本金を有し、大企業を顧客とした大規模システムの構築を得意としていました。2004年には東京証券取引所市場第二部に上場、さらなる成長を目指していました。

2009年には日立製作所による株式公開買付け（TOB）が行われ、2010年には日立製作所の完全子会社となりました。そして同年の10月、日立ソフトウェアエンジニアリングとの対等合併により、株式会社日立ソリューションズへと商号変更、その歴史に幕を閉じました。

主力製品：LYSITHEA（リシテア）

日立システムアンドサービスを代表する製品として、勤怠・作業高管理システム『LYSITHEA』があります。特に大企業での導入実績が多く、高いシェアを誇っていました。当初はC/Sシステムとして製造業を中心に利用されていましたが、1990年代後半のWeb化の流れをいち早く捉え、サービス業への展開にも成功しました。

製品名である『LYSITHEA』は、木星の衛星の名前から取られています。人事、勤怠、給与管理といった業務が、木星の重力に支えられた衛星のように連携し、企業全体の管理業務を支えるという意味が込められていると言われています。

企業スポーツ活動

2000年の合併を機に、従業員間の結束強化と企業イメージ向上を目的として、2004年にスキー部を設立しました。このスキー部は、パラリンピックメダリストを含む実力者で構成された、障害者スポーツ界では珍しい実業団チームでした。長野、トリノ、ソルトレークシティといったパラリンピックで活躍した選手たちが所属し、注目を集めました。現在、このスキー部は日立ソリューションズに継承されています。

事業所

日立システムアンドサービスは、関東、中部、関西に事業所を展開していました。本社は東京都港区のJR品川イーストビルに置かれ、その他、大森、戸塚、名古屋、大阪など主要都市にオフィスを構え、全国規模でのサービス提供体制を構築していました。

アライアンス・パートナー

日立システムアンドサービスは、マイクロソフト、IBM、日本オラクル、日本ヒューレット・パッカード、レッドハット、サン・マイクロシステムズなど、主要IT企業とアライアンスを結び、顧客への幅広いソリューション提供を可能としていました。これらのパートナーシップは、日立ソリューションズへと引き継がれ、現在も日立グループのIT事業を支えています。

沿革

• - 1978年9月：日立コンピュータコンサルタント株式会社として設立
• - 1986年11月：株式会社コンピュータテクノロジー（現・日立システムバリュー）設立
• - 1989年2月：日立システムエンジニアリング株式会社に商号変更
• - 2000年4月：合併により株式会社日立システムアンドサービスに商号変更
• - 2002年4月：九州支社を日立システム九州として分社化
• - 2004年3月：東京証券取引所市場第二部へ上場
• - 2005年10月：連結子会社が合併し、株式会社日立システムバリューに変更
• - 2006年4月：日立システム九州の株式の一部を日立製作所に譲渡
• - 2009年7月：日立製作所によるTOB発表
• - 2010年2月：日立製作所の完全子会社化
• - 2010年10月：日立ソフトウェアエンジニアリングと合併し、日立ソリューションズに商号変更

日立システムアンドサービスは、その歴史の中で数々の企業買収や合併、そして組織再編を経験しました。これらの過程を経て、日立グループのIT事業の中核を担い、多くの企業のシステム構築に貢献しました。その技術と経験は、現在の日立ソリューションズへと引き継がれ、今後も発展を続けていくでしょう。

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