日立自動車交通

日立自動車交通グループについて

日立自動車交通株式会社は、東京都足立区に本社を置く、乗合バス、貸切バス、乗合タクシー、福祉タクシーなどを運行する企業です。同社を中心として、タクシー事業を担う日立自動車交通第二株式会社、日立自動車交通第三株式会社、および日立オートサービス株式会社を合わせたグループ全体を「日立自動車交通グループ」と称します。

事業概要

日立自動車交通グループは、東京都内を中心に多岐にわたる交通サービスを提供しています。特に、以下の点が特徴的です。

コミュニティバスの受託運行: 東京都内の複数の区でコミュニティバスの運行を受託しており、地域住民の生活に密着した移動手段を提供しています。足立区の「はるかぜ」を皮切りに、台東区「めぐりん」、文京区「Bーぐる」、中央区「江戸バス」、北区「Kバス」、葛飾区「さくら」、千代田区「風ぐるま」など、7区で運行しています。
路線バスの運行: コミュニティバスに加え、独自の路線バス「晴海ライナー」を運行しています。また、かつては「AKIBA SHUTTLE」という秋葉原と浅草・東京スカイツリータウンを結ぶ路線も運行していました。
タクシー事業: グループ会社である日立自動車交通第二株式会社と日立自動車交通第三株式会社が、日本交通グループに加盟しタクシー事業を展開しています。東京都内での観光タクシーも提供しています。
福祉輸送: 特別支援学校の送迎バスや福祉タクシーも運行しており、多様なニーズに対応しています。

沿革

日立自動車交通の歴史は、1960年の会社設立に遡ります。

1960年: タクシー13台で事業を開始。
1990年: 福祉部を発足し、福祉タクシー輸送を開始。
2000年: 足立区コミュニティバス「はるかぜ」の運行を開始。
2003年: タクシー事業を分社化し、日立自動車交通第二・第三株式会社が発足。
2004年: 台東区循環バス「めぐりん」の運行を受託。
2012年: 路線バス「晴海ライナー」および「AKIBA SHUTTLE」の運行を開始。
2016年: 千代田区地域福祉交通「風ぐるま」の運行を開始。

コミュニティバスの運行状況

日立自動車交通が運行する主なコミュニティバスは以下の通りです。

はるかぜ（足立区）: 複数路線を運行。乗務員不足により平日も土休日ダイヤで運行中。
めぐりん（台東区）: 北めぐりん、南めぐりん、東西めぐりんの3ルートを運行。
Bーぐる（文京区）: 千駄木・駒込ルート、目白台・小日向ルート、本郷・湯島ルートを運行。
Kバス（北区）: 王子・駒込ルート、田端循環ルート、浮間ルートを運行。
江戸バス（中央区）: 北循環と南循環の2ルートを運行。
風ぐるま（千代田区）: 麹町ルート、富士見・神保町ルート、内神田ルート、秋葉原ルートを運行。
さくら（葛飾区）: 小菅地区循環ルートを運行。

廃止・休止路線

過去には以下のコミュニティバス路線を運行していましたが、現在は廃止または運行休止となっています。

はるかぜ10号: 2024年3月29日に運行終了。
レインボーかつしか: 2024年3月31日に全路線が運行休止。
AKIBA SHUTTLE: 2016年7月16日に路線休止。

路線バス（晴海ライナー）

晴海ライナーは、晴海トリトンスクエアと都心部を結ぶ路線バスで、以下の系統があります。

銀座・八重洲線: 晴海トリトンスクエアと東京駅八重洲口、日本橋高島屋などを結ぶ。

最新型電気バス「BYD・K8」を導入し、環境にも配慮した運行を行っています。料金は一律で、ICカードや回数券、一日乗車券なども利用可能です。

車両について

日立自動車交通グループでは、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、BYD、トヨタ自動車製のバスを保有しています。車両の塗装は、路線ごとに異なる専用デザインが採用されており、「めぐりん」のように個性的な外装・内装を持つバスもあります。また、一部の車両には、恋愛祈願のハート形の吊り革が設置されるなど、利用者に楽しんでもらうための工夫も凝らされています。

その他

日立自動車交通は、地域に密着したバス運行だけでなく、観光タクシーやスクールバス、福祉タクシーなど、幅広い分野で人々の移動を支えています。また、積極的に最新技術や環境に配慮した車両の導入を進めており、今後も地域社会への貢献が期待されます。

社名に「日立」を冠していますが、日立グループとの資本関係はありません。

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