日蓮本宗

日蓮本宗とは

日蓮本宗は、鎌倉時代に活躍した僧侶、日蓮を宗祖とする仏教の一派です。日蓮の教えを受け継ぎ、特に日蓮の弟子である日尊を派祖としています。日蓮門下の中でも、富士門流に属する一派であり、その中心となる寺院は、京都府にある要法寺です。要法寺は、かつて興門派八本山の一つとして知られていました。

教義の特徴

日蓮本宗は、日蓮の教えに基づき、法華経を最も重要な経典としています。特に、法華経を本門と迹門に分け、それぞれに優劣を立てるという独自の解釈を行っています。この考え方は、他の日蓮宗の宗派とは異なる特徴です。

かつては、寛政の法難によって、仏像の制作や一部の読誦を強制されるという苦難も経験しました。しかし、現在では、曼荼羅を本尊とする富士門流の儀式に戻り、伝統的な教えを守っています。

歴史

日蓮本宗の歴史は、日尊が1339年に京都に上行院を建立したことに始まります。その後、1550年に日辰が上行院と住本寺を合併し、要法寺と改称しました。

明治時代に入ると、政府の宗教政策により、日蓮門下の諸宗派は連合を余儀なくされました。1872年には、日尊門流は他の宗派と連合し、1874年には、日蓮宗勝劣派に属することになりました。さらに、1876年には、日蓮宗勝劣派が解体され、富士門流の寺院は統一教団を結成し、日蓮宗興門派と称しました。

その後、1899年には興門派は本門宗と改称しましたが、1941年の宗教団体法により、本門宗は他の日蓮宗の宗派と合同し、日蓮宗と称することになりました。しかし、1950年、要法寺は日蓮宗から独立し、日蓮本宗として再出発しました。この時、要法寺の貫首であった高橋日誨のもと、末寺50ヶ寺が共に独立しました。

現在、日蓮本宗に属さない旧末寺は日蓮宗に残り、そのうち島根県内の旧末寺は「興統法縁会島根尊門会」を組織しています。

関連事項

日蓮本宗を理解する上で、以下の宗派や用語についても知っておくと良いでしょう。

富士門流：日蓮宗の一派で、日興を祖とする。
本門宗：かつて存在した日蓮宗の一派で、日蓮本宗の前身の一つ。
日蓮宗：日蓮を宗祖とする仏教の宗派の総称。
顕本法華宗：日蓮宗の一派で、勝劣派に属する。

日蓮本宗は、日蓮の教えを忠実に守りながら、独自の歴史と教義を持つ宗派です。その歴史や教義を学ぶことで、日本の仏教に対する理解を深めることができるでしょう。

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