日詰駅

日詰駅

日詰駅（ひづめえき）は、岩手県紫波郡紫波町北日詰に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）東北本線の鉄道駅です。この駅は古くから紫波町の交通結節点の一つとして機能しており、かつては主要な急行列車「もりおか」や「陸中」なども停車するなど、重要な駅として賑わいを見せていました。

歴史

日詰駅は、明治時代の鉄道網拡大期にあたる1890年（明治23年）11月1日、日本鉄道の駅として開業しました。その後、鉄道国有化の動きの中で、1906年（明治39年）11月1日には官設鉄道の駅となります。昭和初期には、1928年（昭和3年）10月7日に行われた陸軍特別大演習に関連し、昭和天皇が乗車されたお召し列車が日詰駅を発着するという歴史的な出来事がありました。戦後の社会・経済の変化に伴い、鉄道による貨物輸送や荷物取扱いの重要性が薄れるにつれて、1982年（昭和57年）11月15日には貨物営業が、1985年（昭和60年）3月14日には荷物の取扱いがそれぞれ終了しました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR東日本の駅として新たな時代を迎えます。駅運営体制も変遷し、2004年（平成16年）10月からは業務委託駅となり、長年配置されていた日詰駅長の役職が廃止されました。文化的な側面では、2010年（平成22年）4月24日、地元ゆかりの文豪である宮沢賢治が初恋の看護師を訪ねたとされるエピソードにちなみ、駅前に歌碑が建立されました。駅の窓口業務については、2018年（平成30年）3月16日限りでみどりの窓口の営業が終了しています。近年では、キャッシュレス化の進展に伴い、2023年（令和5年）5月27日にはICカード「Suica」の利用が可能となりました。そして2024年（令和6年）3月16日からは終日無人駅となりましたが、同年10月1日からはチケットレス乗車を可能にする「えきねっとQチケ」サービスが開始されています。

駅構造

日詰駅は地上にプラットホームが配置された構造を持ちます。ホームは単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線が設けられています。これらのホーム間は跨線橋を利用して移動することができます。現在の駅の運営体制は、盛岡駅の管理下にある無人駅です。無人化以前は、JR東日本東北総合サービスが業務を受託する業務委託駅であり、自動券売機も設置されていました。現在は、ICカード利用者のための簡易Suica改札機が駅舎に設置されています。

利用状況

JR東日本が発表している情報によると、2000年度（平成12年度）から2022年度（令和4年度）までの期間における1日平均の乗車人員には推移が見られます。

駅周辺

駅の周囲には、地域の安全を担う紫波警察署日詰駅前駐在所や、教育機関である紫波町立赤石小学校があります。また、文筆家の野村胡堂と音楽評論家のあらえびすを記念した野村胡堂・あらえびす記念館も徒歩圏内です。郵便局として日詰駅前郵便局があり、地域交通を支える岩手県交通の紫波営業所も近くにあります。駅前からは岩手県道111号日詰停車場線が伸びています。商業施設ではマックスバリュ紫波店が利用できます。なお、紫波町の中心部や紫波町役場への最寄り駅は、当駅から南にある紫波中央駅となります。

バス路線

日詰駅前にはバス停留所が設置されており、岩手県交通による路線バスが発着しています。主な行き先としては、盛岡バスセンターや盛岡駅方面への便に加え、志和町線や犬渕線など、地域内を結ぶ路線が運行されています。

隣の駅

JR東北本線における日詰駅の隣駅は、北方面が石鳥谷駅、南方面が紫波中央駅です。快速列車「はまゆり」は、上下線の一部列車（53号・54号）のみ日詰駅に停車します。

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