日野宿

日野宿

日野宿（ひのじゅく）は、江戸時代に整備された甲州街道の5番目の宿場町で、現在の東京都日野市にあたります。1605年（慶長10年）に、八王子宿を整備した大久保長安によって開かれました。府中宿、日野宿、八王子宿は、甲州街道における主要な宿場として、人や物の往来を支えました。

宿場としての役割

甲州街道は時代とともに経路が変更されましたが、1685年以降、日野橋が開通するまでは、多摩川を日野の渡しで渡る必要がありました。現在の道路に当てはめると、東京都道149号立川日野線を南下し、新奥多摩街道入口信号で右折、東京都道256号八王子国立線を西進、日野駅前東交差点北側の日野不動産裏を左折し、日野自動車手前で現甲州街道に合流する道筋でした。日野宿では、伝馬の管理や多摩川の渡船場を管轄していました。

日野宿から日野町、そして日野市へ

1889年（明治22年）の町村制施行時には、日野宿という名称のまま神奈川県南多摩郡の自治体となりました。その後、東京府に移管され、日野町と改称、1963年に日野市となりました。この変遷からも、宿場町としての歴史が、今日の都市へとつながっていることがわかります。

日野宿本陣

日野本町には、東京都内で唯一現存する本陣の建物があります。日野市はこの建物を史跡に指定し、耐震補強などのための構造調査と改修を計画しています。本陣の向かい、現在は駐車場になっている場所には、かつて長屋門があり、そこを改装して佐藤彦五郎が天然理心流の道場を開きました。この道場では、後に新選組局長となる近藤勇が剣術を教えていました。近藤勇、土方歳三、沖田総司、井上源三郎、山南敬助ら新選組の主要メンバーは、この場所で出会いを果たしました。道場の向かいには問屋場と高札場がありましたが、現在では石碑が残るのみとなっています。

日野の千人同心

日野宿は、新選組だけでなく、千人同心とも縁があります。

日野義貴 - 寺子屋教育者として活躍しました。
日野義順 - 義貴の子で、後に彰義隊に参加しました。
井上松五郎 - 井上源三郎の兄で、最後の日光勤番を務めました。

これらの人物も日野宿の歴史を語る上で欠かせない存在です。

まとめ

日野宿は、江戸時代の宿場町としての役割だけでなく、新選組の誕生や、日野の千人同心といった歴史的な出来事とも深く関わっています。現在の日野市は、この豊かな歴史を背景に発展を続けています。

関連項目

甲州街道の一里塚一覧
日野市立新選組のふるさと歴史館

外部リンク

日野市観光協会 日野宿本陣
* 日野宿発見隊

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