日隆 (本門法華宗)

日隆の生涯と影響

日隆（にちりゅう）は、室町時代に活躍した法華宗の日蓮宗の僧侶で、本能寺と本興寺を開いた人物です。彼は至徳2年（1385年）10月14日、越中国射水郡に生まれ、幼名は長一丸、諱は桃井長尚といいます。また、号は深円、慶林坊、精進院などがあり、八品派（本門法華宗・法華宗本門流）の祖としても知られています。加えて、本門佛立宗では「門祖」と称えられる存在です。

幼少期、日隆は父の尚儀が八幡大菩薩から宝剣を授かる様子を見て育ちました。その後、応永3年（1396年）、遠成寺で出家し、師の日深の下で修行を始めました。そして叔父の日存を京都で訪ねて入門、以降「深円」と名乗るようになります。彼は修行の後、妙本寺の寺主である日霽に師事し、名を日隆に改めました。

彼が修行を進める中、応永17年（1410年）には妙本寺内での対立が原因で寺を退出することになりました。寺主が巧妙に権力を行使し問題点が多くなり、日隆は自らの主張、本迹勝劣を掲げ、衝突を経て寺を後にしました。その後、高野山や園城寺、四天王寺などで研鑚を続けます。

1415年、日隆は小袖屋宗句の寄付を受け、本応寺（後の本能寺）を建立するも、月明による迫害で再び困難に直面しました。この時、彼の故郷である桃井家では家臣の反乱が起こり、中村元成から還俗を求められましたが、日隆はこれに反発。巧みに反乱を収め、さらには法華宗の教えを広めることに成功しました。

1416年には近隣住民に法話して影響を与え、中村元成も法華宗に改宗し、彼の邸内に寺を建立しました。このようにして日隆の名は広まりつつありました。応永30年（1423年）、南方等の寄進により尼崎に本興寺を建立しました。日隆の師であった日存と日道の入滅が相次ぎ、彼の帰洛を望む声が高まっています。

日隆は、同じく応永30年（1426年）に越中に帰国し、故人の埋葬などを行った後、暴風雨に遭遇することもありましたが、無事に都に戻った後は応永5年（1433年）に本能寺を再建しました。1451年には大阪堺に顕本寺を設立し、信者の厚い支持を受けながらさらなる寺院の設立を果たしました。

1464年、日隆は本興寺にて81歳で入滅します。彼の生涯には、3千余帖（363巻）に及ぶ著作が残され、計16の寺院を設立したと伝えられています。日隆の教えは、多くの人々に影響を与え続け、法華宗の発展に寄与しました。彼の生涯や教義は、現代においても重要な宗教的資産として受け継がれています。

関連する史跡

• - 本能寺（京都）
• - 本興寺（尼崎）
• - 立正寺（甲州）
• - 光長寺（駿州）
• - 誕生寺（越中）
• - 本光寺（越中）

日隆の存在は、法華宗に大きな影響を与えた人物であり、今でも多くの人に信仰され続けています。

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