旧制小学校とは
旧制小
学校とは、
1886年(
明治19年)の小
学校令によって定められた
初等教育機関です。それまで存在した様々な
学校制度を統一し、全国一律の教育を施すことを目的としていました。
1886年から
1947年まで、
義務教育の中核を担い、日本の
近代化に大きく貢献しました。
旧制小学校の歴史
旧制小
学校は、当初「尋常小
学校」と「高等小
学校」の2段階に分かれていました。
尋常小学校(尋常科、初等科): 義務教育の中心となる課程で、国民としての基礎的な知識や技能を習得させることを目的としていました。
高等小学校(高等科): 尋常小
学校を卒業した児童が進む、より高度な教育を行う課程でした。当初は2年制でしたが、その後、年限が変更されました。
1890年の改正では、高等小
学校は尋常小
学校を卒業した児童がさらに2年教育を受ける課程と位置づけられました。また、
1899年には私立
学校令が制定され、公立
学校と私立
学校が区別されました。
1941年には、
国民[[学校]]令によって旧制小
学校は「
国民[[学校]]」へと改編され、太平洋戦争終結まで続きました。
国民[[学校]]令は、戦時体制下での教育を強化するために制定されたもので、
戦後の
学校教育法によって廃止されました。
1947年、
学校教育法(
昭和22年法律第26号)の制定により、旧制小
学校は廃止され、新たに小
学校と
中[[学校]]による6・3制の
学校制度が導入されました。
旧制小学校の例
現在でも、全国各地に旧制小
学校の建物が残されており、歴史的な建造物として保存・活用されている例が多く見られます。以下にその例をいくつか挙げます。
現存する主な旧制小学校
岩科学校
旧開智
学校
開明学校(申義堂)
旧遷喬尋常小
学校
旧登米高等尋常小学校
旧金成小
学校(現・栗原市金成歴史民俗資料館)
朝暘学校
旧水海道小
学校
伊奈村陬学舎(東京)
青梅学舎(東京)
旧中込学校(長野県)
見附
学校(静岡県磐田)
睦沢学校(山梨県、1876年)
勝沼
学校(山梨県)
中沢学校(長野県)
贅川
学校(長野県)
穂高学校(長野県)
旧豊郷小
学校
旧頼城小学校(現・星槎大学)
旧月立小
学校(
気仙沼市)
旧男鹿市立加茂青砂小学校(現・男鹿市立北陽小学校)
山形市立第一小
学校
智頭町立山形第一小学校(智頭町立山形小学校)
旧樺穂小
学校
旧真岡小学校
旧東村花輪小
学校(現・みどり市立あずま小
学校)
川場尋常高等小学校(現・川場村歴史民俗資料館)
飯田市立追手町小
学校
旧敷島小学校(現・渋川市立津久田小学校、奉安殿は文化財)
旧亀城小
学校(現・刈谷市郷土資料館)
旧坂下尋常高等小学校(現・鈴鹿峠自然の家)
旧西押立
国民[[学校]](現・湖東町歴史民俗資料館, 講堂「錬成館」は文化財)
番組小学校
旧京都市立有済小
学校(太鼓望楼は文化財)
旧京都市立明倫小学校(現・京都芸術センター)
旧京都市立龍池小
学校(現・
京都国際マンガミュージアム)
旧京都市立開智小学校(現・京都市学校歴史博物館)
福知山市立惇明小
学校
旧長野町尋常高等小学校(現・河内長野市立武道館)
旧岸和田村尋常小
学校
旧内山下小学校
川西尋常小
学校(現・富田林市立川西小
学校教育歴史資料室)
湯浅小学校
旧学習院初等学科
旧渋民尋常小学校
旧田所小
学校
旧加茂青砂小学校(現・男鹿市立北陽小学校)
旧滝部小
学校(現・下関市立豊北歴史民俗資料館)
旧仁堀尋常高等小学校(現・赤磐市吉井郷土資料館)
水元小
学校(葛飾区教育資料館)
旧山本小学校
函館ハリストス正教会正教
学校(普通小
学校)
沼津兵学校付属小学校
本立
学校(小
学校、
明治13年)
楢泉学校(小学校、明治13年)
紅翠学舎(小
学校、
明治13年)
養戚学校(小学校、明治12年)
小野尋常小
学校校舎(現・小野公民館)
旧吾妻第三小学校(現・中之条町歴史民俗資料館)
復興小
学校(渋谷区立広尾小
学校ほか)
旧山辺学校
明親館 (兵庫)
吹屋小学校
花岡学院
小学校 (台湾)
公
学校
国語伝習所
蕃人公
学校
* 蕃童教育所
これらの旧制小
学校は、日本の
近代教育の歴史を物語る貴重な遺産であり、各地で様々な形で保存・活用されています。
まとめ
旧制小
学校は、日本の
近代化を支えた重要な教育制度でした。その歴史を学ぶことは、今日の
日本の教育を考える上でも非常に有益です。各地に残る旧制小
学校の建物を見学することで、当時の教育の様子や社会の雰囲気を感じることができます。