品川通り
品川通り、品川道、あるいは品川街道と呼ばれる道は、東京都内に複数存在する道路の総称です。
品川道は、古代から武蔵国府（現在の府中市）と品川湊（現在の品川区付近）を結ぶ重要な幹線道路として機能していました。府中市の大國魂神社（武蔵総社）から、多摩川沿いや国分寺崖線に沿って東南へ延び、品川や六郷（現在の東京都大田区、神奈川県川崎市の一部）方面に至る古道です。「品川街道」や、物資輸送に関わる「いききの道」「いかだみち」といった別名でも呼ばれていました。
この道沿いには古墳が点在しており、その歴史的な重要性を示唆しています。旧石川村（現在の府中市の一部）では、古代東海道（現在の多摩地域ではおおよそ中原街道のルートに近いとされる）と交差していました。武蔵国府は甲斐国府（現在の甲府市）とも道で繋がっており、広範囲な交通網の一部を構成していたことがわかります。
また、品川道は生活や祭事とも密接に関わっていました。大國魂神社の例大祭であるくらやみ祭りの神事で利用されたほか、多摩川上流で伐採した材木を筏にして流送した後、筏師たちがこの道を徒歩で戻ったという記録もあります。現在の品川区内にも品川道に由来する地名が残り、大井町駅の南側にはかつての品川道を踏襲する経路の踏切が存在します。
江戸時代に入ると、府中・調布付近の品川道の一部区間が、江戸と甲府を結ぶ主要街道である甲州街道の一部として利用されました。当初、品川道は府中宿の六所宮（大國魂神社）まで続いていましたが、後に北側の道が新たな甲州街道（現在の旧甲州街道）として整備され、本来の甲州街道であった道が「品川道」と呼ばれるようになりました。
2017年時点では、「品川道」または「品川街道」の標識が確認できるのは、府中市内の東府中駅前から旧甲州街道との分岐点を経て東へ向かう区間です。この道は京王線とほぼ並行しており、かつての一里塚の脇や、白糸台文化センター西交差点、西武多摩川線の白糸台駅南踏切などを通り、ところどころに古い時代の面影を残しながら調布市境付近まで続いています。一里塚は、この道が甲州街道の一部であった時代の遺構です。
調布市内に入ると、飛田給駅方向へ向かう細く直線的な道が残っていますが、府中からの道とは直接繋がっていないように見えます。この道の延長線上、飛田給駅南側にも同様に細く直線的な道があり、「品川みち」と記された看板が立っています。この旧道は、現在の品川通りとは太田塚交差点で合流します。これより東側は、現在の品川通りとして拡幅整備されたため、旧道の面影はほとんど見られません。しかし、鶴川街道交差点付近、小島町三丁目交差点付近、調布駅南入口交差点から布田三丁目交差点にかけてなど、部分的に旧道が残存しています。
調布市内の多摩川住宅入口交差点付近で、品川道は現在の品川通りから分岐し、再び細い道となります。この旧道は東へ約400〜500メートル進むと狛江市内へと入ります。多摩川住宅の東側をかすめ、和泉児童館西交差点を経て、東南東へ直線的に進みます。都道114号線（松原通り）と交差した後、狛江駅付近に至り、そこから先は狛江通りの南側に「品川道」の表示がある細い道が残り、狛江三叉路交差点へと続いています。
現在の「品川通り」は、かつての品川道に代わる新たな幹線道路として整備された区間を指します。西端は府中市の車返団地東交差点で押立公園通りに接続し、調布市内を京王線の南側に沿って東西に走る通りです。都市計画道路としては、調布3・4・10号線に指定されています。東端は東つつじヶ丘二交差点で一旦終点となりますが、将来的にはさらに東へ延伸し、若葉町3丁目付近で都道114号線に接続し、さらに補助54号線へと繋がる計画があります。この延伸計画は、2006年に東京都と多摩地区の28市町により優先整備路線に位置づけられ、調布市では2007年度から約11年での整備を目指していました。計画位置確定のための現況測量も2007年末から2008年初頭にかけて行われましたが、2020年時点では計画された延伸は実現していません。
品川通りは、国領八丁目交差点から調布駅南入口交差点にかけての区間を中心に、小田急バスや京王バスの路線バスが数多く運行されています。京王線とは立体交差に変更されており、調布駅周辺は多くの信号が存在する交通の要衝です。
全体として交通量が多く、調布市内における重要な道路の一つとなっています。特に雨の日には交通量が増加する傾向が見られます。
古道の品川道は、府中滝神社上の「御滝道」と合流し、武蔵国府八幡宮南側の「八幡道」に繋がり、さらに「京所道」を経て大國魂神社へと至るなど、周辺の古道網と密接に結びついていました。
現在の品川通りや品川道は、東京都道248号府中小平線（府中市内、立体交差）、東郷寺通り（多磨霊園駅近く）、車返団地通り（白糸台五丁目交差点）、鶴川街道、狛江通り（国領8丁目交差点）といった主要な道路と交差しています。また、京王相模原線（調布駅〜京王多摩川駅間、立体交差）や西武多摩川線（白糸台駅南踏切）といった鉄道路線とも交差しています。
品川道（古道）
品川道は、古代から武蔵国府（現在の府中市）と品川湊（現在の品川区付近）を結ぶ重要な幹線道路として機能していました。府中市の大國魂神社（武蔵総社）から、多摩川沿いや国分寺崖線に沿って東南へ延び、品川や六郷（現在の東京都大田区、神奈川県川崎市の一部）方面に至る古道です。「品川街道」や、物資輸送に関わる「いききの道」「いかだみち」といった別名でも呼ばれていました。
この道沿いには古墳が点在しており、その歴史的な重要性を示唆しています。旧石川村（現在の府中市の一部）では、古代東海道（現在の多摩地域ではおおよそ中原街道のルートに近いとされる）と交差していました。武蔵国府は甲斐国府（現在の甲府市）とも道で繋がっており、広範囲な交通網の一部を構成していたことがわかります。
また、品川道は生活や祭事とも密接に関わっていました。大國魂神社の例大祭であるくらやみ祭りの神事で利用されたほか、多摩川上流で伐採した材木を筏にして流送した後、筏師たちがこの道を徒歩で戻ったという記録もあります。現在の品川区内にも品川道に由来する地名が残り、大井町駅の南側にはかつての品川道を踏襲する経路の踏切が存在します。
品川道（江戸時代以降）
江戸時代に入ると、府中・調布付近の品川道の一部区間が、江戸と甲府を結ぶ主要街道である甲州街道の一部として利用されました。当初、品川道は府中宿の六所宮（大國魂神社）まで続いていましたが、後に北側の道が新たな甲州街道（現在の旧甲州街道）として整備され、本来の甲州街道であった道が「品川道」と呼ばれるようになりました。
2017年時点では、「品川道」または「品川街道」の標識が確認できるのは、府中市内の東府中駅前から旧甲州街道との分岐点を経て東へ向かう区間です。この道は京王線とほぼ並行しており、かつての一里塚の脇や、白糸台文化センター西交差点、西武多摩川線の白糸台駅南踏切などを通り、ところどころに古い時代の面影を残しながら調布市境付近まで続いています。一里塚は、この道が甲州街道の一部であった時代の遺構です。
調布市内に入ると、飛田給駅方向へ向かう細く直線的な道が残っていますが、府中からの道とは直接繋がっていないように見えます。この道の延長線上、飛田給駅南側にも同様に細く直線的な道があり、「品川みち」と記された看板が立っています。この旧道は、現在の品川通りとは太田塚交差点で合流します。これより東側は、現在の品川通りとして拡幅整備されたため、旧道の面影はほとんど見られません。しかし、鶴川街道交差点付近、小島町三丁目交差点付近、調布駅南入口交差点から布田三丁目交差点にかけてなど、部分的に旧道が残存しています。
調布市内の多摩川住宅入口交差点付近で、品川道は現在の品川通りから分岐し、再び細い道となります。この旧道は東へ約400〜500メートル進むと狛江市内へと入ります。多摩川住宅の東側をかすめ、和泉児童館西交差点を経て、東南東へ直線的に進みます。都道114号線（松原通り）と交差した後、狛江駅付近に至り、そこから先は狛江通りの南側に「品川道」の表示がある細い道が残り、狛江三叉路交差点へと続いています。
品川通り（新道）
現在の「品川通り」は、かつての品川道に代わる新たな幹線道路として整備された区間を指します。西端は府中市の車返団地東交差点で押立公園通りに接続し、調布市内を京王線の南側に沿って東西に走る通りです。都市計画道路としては、調布3・4・10号線に指定されています。東端は東つつじヶ丘二交差点で一旦終点となりますが、将来的にはさらに東へ延伸し、若葉町3丁目付近で都道114号線に接続し、さらに補助54号線へと繋がる計画があります。この延伸計画は、2006年に東京都と多摩地区の28市町により優先整備路線に位置づけられ、調布市では2007年度から約11年での整備を目指していました。計画位置確定のための現況測量も2007年末から2008年初頭にかけて行われましたが、2020年時点では計画された延伸は実現していません。
品川通りは、国領八丁目交差点から調布駅南入口交差点にかけての区間を中心に、小田急バスや京王バスの路線バスが数多く運行されています。京王線とは立体交差に変更されており、調布駅周辺は多くの信号が存在する交通の要衝です。
全体として交通量が多く、調布市内における重要な道路の一つとなっています。特に雨の日には交通量が増加する傾向が見られます。
関連情報
古道の品川道は、府中滝神社上の「御滝道」と合流し、武蔵国府八幡宮南側の「八幡道」に繋がり、さらに「京所道」を経て大國魂神社へと至るなど、周辺の古道網と密接に結びついていました。
現在の品川通りや品川道は、東京都道248号府中小平線（府中市内、立体交差）、東郷寺通り（多磨霊園駅近く）、車返団地通り（白糸台五丁目交差点）、鶴川街道、狛江通り（国領8丁目交差点）といった主要な道路と交差しています。また、京王相模原線（調布駅〜京王多摩川駅間、立体交差）や西武多摩川線（白糸台駅南踏切）といった鉄道路線とも交差しています。
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