旧白毫院庭園

旧白毫院庭園：歴史と自然が織りなす、静寂の空間

滋賀県大津市坂本に佇む旧白毫院庭園は、国の名勝に指定されている由緒ある日本庭園です。延暦寺の塔頭寺院の一つであった白毫院の境内に、江戸時代初期、寛永年間の創建と伝えられています。回遊式庭園として造られたその様式は、江戸時代の初期の庭園様式を知る上で貴重な存在となっています。

明治時代初期には料亭「芙蓉園」の所有となり、大切に維持管理されてきました。現在も、当時の面影を色濃く残す、数々の歴史的建造物や景観が訪れる人を魅了します。

庭園の魅力：時を超えて息づく、繊細な美

庭園内には、江戸時代の職人技が光る数々の見どころがあります。

洞窟: 江戸時代初期に造られた、穴太衆積みの洞窟は、大津市の指定文化財にも登録されています。三つの出入口を持ち、内部は神秘的な雰囲気に包まれています。洞窟の上部には、富士山を模した築山が築かれており、その巧みな造形は圧巻です。
白豪乃滝: 庭園に自然な流れを作り出す滝は、静寂な空間の中で、独特の景観を作り出しています。
枯滝三尊石: 枯山水の手法を用いた、滝を模した石組です。自然の風景を巧みに表現した、洗練されたデザインが特徴です。
出島: 池に突き出した島のような空間は、庭園全体に変化を与え、奥行きを感じさせます。
沢渡り: せせらぎを渡る道は、庭園散策のハイライトの一つ。水の音を聞きながら、自然の趣を満喫できます。

これらの要素が絶妙に配置され、変化に富んだ美しい景観を作り出しています。訪れる人々は、静寂の中で時の流れを忘れ、自然と歴史が織りなす調和に癒されることでしょう。

アクセスと周辺情報

旧白毫院庭園へのアクセスは良好です。

京阪石山坂本線 坂本比叡山口駅より徒歩5分
JR湖西線 比叡山坂本駅より徒歩15分

庭園周辺には、歴史的な建造物や観光地も点在しています。

旧竹林院庭園: 旧白毫院庭園のすぐ向かいに位置する、もう一つの美しい日本庭園です。
日吉大社: 延暦寺と共に比叡山を代表する神社です。
日吉東照宮: 徳川家康を祀る神社です。

旧白毫院庭園は、歴史と自然を満喫できる、魅力的な観光スポットです。大津を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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