早射ちマック

『早射ちマック』（原題：Quick Draw McGraw）は、1959年から1962年にかけてアメリカで放送された、人気テレビアニメシリーズです。制作はハンナ・バーベラ・プロダクション。西部劇をモチーフにしたコメディ作品で、早撃ちの名手である白馬の保安官マックを中心に物語が展開します。

主人公のマックは正義感が強く、腕利きのガンマンとして活躍しますが、少しドジな一面も持ち合わせています。ピンチに陥ると「怪傑マック」に変身し、ギターを武器に悪人たちと戦う姿も見せてくれます。相棒はソンブレロを被ったロバのルイ。一見すると頼りなさげなルイですが、実はマックよりもしっかり者で、しばしばマックをサポートします。

『早射ちマック』は単独の番組というだけでなく、『ドラ・チュウ助探偵』（Snooper and Blabber）と『パパとチビ助（オギーとダディー）』（Augie Doggie and Doggie Daddy）という2つのアニメシリーズを内包していました。そのため、マックとルイは、ネコの探偵ドラやその助手のネズミのチュウ助、パパとチビ助といったキャラクターたちと共演する場面も多く見られました。これらのキャラクター同士の掛け合いも、本作の魅力の一つです。

アメリカでは、シリアルメーカーのケロッグがスポンサーとなり、商品のパッケージにはマックが大きくデザインされていました。これにより、子供たちを中心に高い人気を獲得することとなりました。

マックの声優にはドーズ・バトラーが起用され、日本の吹き替えでは滝口順平さん、森功至さんなどが担当しました。ルイの声は、同じくドーズ・バトラーが担当し、日本の吹き替えでは田辺奈々子さん、松島みのりさんなどが演じています。他のキャラクターも、個性豊かな声優陣によって演じられています。

『早射ちマック』は、単なるコメディアニメに留まらず、他のハンナ・バーベラ作品とのクロスオーバーも特徴の一つです。『クマゴローの大冒険』や『まんがオールスター おもしろオリンピック』、『ハンナ・バーベラ秘宝探検団』など、様々な作品にマックやルイ、ドラ、チュウ助といったキャラクターが登場し、それぞれの作品に彩りを添えています。

日本では、1960年代初頭にNET（現・テレビ朝日）系列で放送され、その後、東京12チャンネル（現・テレビ東京）でも放送されました。カートゥーンネットワークでも放送され、幅広い世代に親しまれています。

『早射ちマック』は、軽快なテンポとユーモラスなキャラクター、そして個性豊かな登場人物たちの活躍を通じて、子供たちに夢と笑いを届ける、傑作アニメーション作品として高く評価されています。時代を超えて愛され続けるその魅力は、シンプルながらも奥深いストーリー展開と、ハンナ・バーベラ独特のアニメーション技術によって生み出されていると言えるでしょう。西部劇を舞台にしたコメディ要素と、時折見せる心温まるシーンのバランスも絶妙で、老若男女問わず楽しめる作品となっています。

もう一度検索