早春のハーモニー

早春のハーモニー

南沙織さんが通算5枚目として発表したスタジオ録音によるアルバムが『早春のハーモニー』です。1972年12月21日にCBS・ソニーからリリースされました。アルバムの発売に合わせて付けられたLP帯には「好評!ヤングのテーマ早春篇」というキャッチコピーが添えられていました。

このアルバムには、リリースに先行する形で発表された5枚目のシングル「哀愁のページ」の異なるテイク（早春篇）や、次作シングル「早春の港」のカップリング曲として収録された「魚たちはどこへ」が収められています。さらに、「早春の港」の原型にあたる楽曲「ふるさとのように」も含まれている点が特徴です。演奏は、作曲家である筒美京平氏が率いるサウンド・ナウ・オーケストラが担当しています。

アルバムに収められている楽曲の大部分は、他のアーティストが既に発表していた楽曲のカバーで構成されています。しかし、これまでの彼女のアルバムで見られた洋楽のカバーは一切含まれていません。収録されたカバー曲はいずれも筒美京平氏が作曲を手掛けており、オリジナル楽曲も含めて、結果として収録曲すべての作曲を筒美京平氏が担当した、彼女にとって初めてのアルバムとなりました。

収録曲

オリジナル盤は、全曲の作詞を有馬三恵子氏が手掛け（一部を除く）、作曲・編曲は筒美京平氏が担当しています（一部編曲を除く）。

哀愁のページ -早春篇-
5枚目のシングル曲ですが、このアルバムに収められているのは別テイクです。冒頭の英語のセリフやヴォーカルがシングル盤とは異なります。
ふるさとのように
次作シングルとなる「早春の港」の原曲にあたる楽曲です。歌詞や編曲がシングル盤とはわずかに異なります。
ひとりごと
編曲は矢野誠氏。
冬物語

あの場所から
作詞は山上路夫氏、編曲は高田弘氏が担当。オリジナルはKとブルンネンによって歌われました。
魚たちはどこへ
6枚目のシングル「早春の港」のB面曲として後にシングルカットもされました。
ひまわりの小径
作詞は林春生氏、編曲は高田弘氏が担当。チェリッシュの楽曲カバーです。
ギターのような女の子
作詞は橋本淳氏、編曲は高田弘氏が担当。佐良直美さんの楽曲カバーです。
恋のゆくえ
作詞は岩谷時子氏、編曲は矢野誠氏が担当。新藤恵美さんの楽曲カバーです。
夢でいいから
作詞は林春生氏、編曲は矢野誠氏が担当。いしだあゆみさんの楽曲カバーです。
あふれる愛に
作詞は橋本淳氏、編曲は矢野誠氏が担当。こちらもいしだあゆみさんの楽曲カバーです。
幸福ですか
作詞は阿久悠氏、編曲は高田弘氏が担当。青山一也さんの楽曲カバーです。

再販と現状

後年、このアルバムは複数回にわたりCDとして再リリースされています。特に、南沙織さんの歌手デビュー35周年を記念して企画されたCD-BOX『Cynthia Premium』に収められた際は、紙ジャケット仕様で復刻されました。この『Cynthia Premium』盤では、オリジナルLPには未収録だったシングルA面曲「早春の港」が、ボーナス・トラックとして追加収録されています。この「早春の港」も作詞は有馬三恵子氏、作曲・編曲は筒美京平氏による楽曲です。

現在、このアルバムはCDパッケージとしての製造・販売は終了しており、主に音楽配信サービスを通じてのみ入手が可能となっています。

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