早野透

早野透：日本の政治を鋭く見つめたジャーナリスト、コラムニスト

早野透（はやの とおる）は、1945年6月10日に生まれ、2022年11月5日に77歳で亡くなった日本のジャーナリスト、コラムニストです。朝日新聞社にて編集委員を務め、退職後は桜美林大学で教鞭を執りました。

生涯

神奈川県で生まれ、東京都で育ちました。1964年に東京教育大学附属中学校・高等学校（現・筑波大学附属中学校・高等学校）を卒業後、1968年に東京大学法学部を卒業。同年4月に朝日新聞社に入社し、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。

朝日新聞社では、岐阜支局や北海道報道部を経て、東京本社政治部に勤務。田中角栄首相の番記者を務めたほか、歴代政権の取材を担当しました。田中角栄の地元である新潟支局への勤務を自ら希望するなど、現場主義を貫きました。その後、西部本社社会部次長、東京本社政治部次長、ラジオテレビ本部副本部長などを経て、1993年に編集委員（政治担当）に就任。

2010年3月に朝日新聞社を退職し、同年4月から2016年3月まで桜美林大学教授を務めました。

2022年11月5日に逝去。葬儀には、谷垣禎一、海江田万里、山東昭子、田原総一朗など、政界や言論界から約300人が参列しました。

ジャーナリストとしての活動

早野透は、政治記者として、日本の政治の裏側を深く取材し、鋭い視点で分析しました。1991年には、自民党幹事長時代の小沢一郎の政治手腕に迫った「論考小沢一郎」で担当キャップを務め、1993年には、細川政権の成立から崩壊までを検証した「連立回り舞台」で担当キャップを務めました。1996年4月から2010年3月まで、署名入りコラム「ポリティカにっぽん」を443回にわたり連載し、政治に対する独自の視点を展開しました。

2005年4月からは、さまざまなテーマを「人脈」から解き明かす夕刊連載「ニッポン人脈記」を率いました。退社後の2012年9月からは、朝日新聞にて政治時評コラム「新ポリティカにっぽん」の連載を開始しました。

著書

早野透は、ジャーナリストとしての経験と知識を活かし、多数の著書を執筆しました。主な著書には、

『田中角栄と「戦後」の精神』(1995年)
『連立攻防物語　―ポリティカにっぽん―』(1999年)
『政治家の本棚』(2002年)
『日本政治の決算』(2003年)
『政権ラプソディー　安倍・福田・麻生から鳩山へ』(2010年)
『田中角栄　戦後日本の悲しき自画像』(2012年)などがあります。

これらの著書は、日本の政治史や政治家の人物像を深く掘り下げたものであり、多くの読者に影響を与えました。

メディア出演

早野透は、テレビやラジオなどのメディアにも出演し、政治に関する解説や討論を行いました。

愛川欽也 パックインジャーナル（朝日ニュースター）
デモクラシータイムス（YouTube）

まとめ

早野透は、日本の政治を鋭く分析し、その本質を追求したジャーナリスト、コラムニストでした。その著作や記事は、日本の政治史を理解する上で貴重な資料となっています。また、メディア出演を通じて、一般の人々にも政治への関心を喚起しました。彼の業績は、日本のジャーナリズム史に深く刻まれています。

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