旭國斗雄

旭國 斗雄: 大相撲の小兵の英雄

概要

旭國 斗雄（あさひくに ますお）は、1947年4月25日北海道上川郡愛別町で生まれ、立浪部屋に所属した元大相撲力士です。彼の本名は太田 武雄（おおた たけお）で、最高位は東大関です。現役時代の旭國は174cm、118kgと小柄な体型ながら、力士としては異例の技術と精神力を兼ね備え、愛称として「ピラニア」と「相撲博士」を持つ闘志あふれる力士でした。引退後は大島部屋を経営し、日本相撲協会の理事として活動しました。

取り口とスタイル

彼の取り口は、身長のハンデを逆手に取り、独特で攻撃的なスタイルが特徴でした。腕が短いため、相手の廻しを取ることが難しかったが、それを補うための「とったり」技術を駆使し、相手を翻弄しました。旭國は特に理知的な取り組みを分析し、相撲の戦術について多くの研究を行いやりました。

幼少期からの経歴

旭國は農家の三男として生まれ、幼い頃から様々なスポーツに秀でていました。中学校では野球をしていましたが、やがて隣接する相撲部との出会いが彼の運命を変えることになります。1962年、立浪部屋へと入門するきっかけとなったのは、当時の親方（元前頭19枚目・若浪）による紹介でした。しかし、新弟子検査では身長不足で4度も不合格となり、挫折しそうになります。兄弟子や親方の励ましを受け、彼は再挑戦を決意。この際には、頭を殴って瘤を作るというユニークな手段を用い、最終的には合格を果たしました。

取り組みと昇進

旭國の取り組みは、技術だけでなく精神的な強さも要求されるものでした。彼は膵臓炎という持病に苦しみながらも、何度も入院する中で力士としてのキャリアを築いていきました。1971年には新入幕し、1976年には初めての大関に昇進しますが、昇進後も病気との戦いは続きました。特に大関時代は、横綱・輪島や北の湖との対戦での成績が振るわず、優勝には恵まれませんでしたが、彼の熱意と闘志は多くのファンに支持されました。

現役引退後の活動

1979年に引退した旭國は、年寄・大島を名乗り新たな目標として大島部屋を設立します。多くの弟子たちを育て、特に1992年にはモンゴルから新弟子をスカウトし、モンゴル力士の未来を切り開く重要な役割を果たしました。彼の指導の下、旭天鵬や旭鷲山といった有名力士が誕生しました。

年寄・活動とその後

彼は幅広い活動を通じて相撲界に貢献し、1998年から2010年まで日本相撲協会の理事を務めました。また、相撲協会内での改革にも積極的に取り組み、特に若手力士の育成に尽力しました。2012年には停年を迎え、旭天鵬を後継者とし大島部屋を一時閉鎖しました。その後も若手力士の成長を見守り続けています。

逸話・パーソナリティ

旭國の生涯は、人々に感銘を与える数々の逸話に彩られています。彼は「闘魂」を重視し、自身の四股名にもその精神を取り入れました。また、現役時代のライバルであった二子山親方との友情も深く、相撲道を共に歩んできた存在でした。自らもCMに出演するなど、相撲界の普通のヒーローとは異なる魅力を持つ力士として多くのファンに愛され続けています。

まとめ

旭國斗雄は、相撲界において小柄でありながら大きな影響を与えた力士です。その取り組みや生涯は、相撲の真髄を象徴するものであり、後進の力士たちに多大な影響を与え続けています。

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