旭山城

旭山城 (あさひやまじょう)

旭山城は、現在の長野県長野市平芝にあった山城です。築城時期は不明ですが、戦国時代初期には村上氏に属する朝日右近という武将が守っていたと伝えられています。この城は、川中島の戦いにおいて重要な拠点となり、武田氏と上杉氏の間で幾度となく争奪戦が繰り広げられました。

第二次川中島の戦い

1555年、第二次川中島の戦いでは、善光寺別当の栗田鶴寿が武田信玄と通じ、300の鉄砲隊と800の弓隊、そして3000の兵を率いて旭山城に籠城しました。対する上杉謙信は、善光寺東側の横山城に陣を構え、付城として葛山城を築きました。数ヶ月に及ぶ対陣の後、今川義元の仲介により和議が成立し、その条件として旭山城は破壊されました。

第三次川中島の戦い

1557年、第三次川中島の戦いでは、武田軍が葛山城を急襲し落城させました。翌年、上杉謙信は雪解けを待って出陣し、旭山城を再建して守兵を配置しました。このように、旭山城は川中島の戦いにおいて、戦略上重要な場所であったことがわかります。

第四次川中島の戦い

1561年の第四次川中島の戦いでは、越後軍の川中島への進出や撤退の際に重要な役割を果たしました。特に、退却する小荷駄隊が犀川を渡河する際には、旭山城から駆け下りた守備兵の援護により、武田軍の追撃をなんとか振り切ったとされています。しかし、その年の冬、上杉謙信が越後から出られなくなると、当時の守将であった小柴見宮内は武田軍に討たれてしまいます。これにより、旭山城は廃城になったと考えられています。

遺構

現在の旭山城跡には、石垣の痕跡が主郭に見られ、堀切や竪堀、横堀などの遺構も残っています。

主郭跡: 「朝日山城」の城址碑が建てられています。
物見台: 川中島古戦場や長野駅などを一望できる場所にあります。

交通

JR北陸新幹線 長野駅から徒歩約60分
上信越自動車道 長野ICから車で約20分
朝日山観世音堂駐車場を利用

参考文献

小柴見城跡、長野市教育委員会・長野市水道局、1988年
南原公平 著『信州の城と古戦場』 しなのき書房 2009年

関連項目

葛山城 (信濃国)
栗田城
横山城 (信濃国)
上杉謙信
川中島の戦い
* 日本の城一覧

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